普段何気なく乗っている愛車。そんな愛車のタイヤには「指定空気圧」が設定されています。ドアの内側にステッカーが貼られ、「240(2.4)」といった数値が記されているのをご存じのドライバーも多いでしょう。
しかし、タイヤの空気圧は実に繊細。ほんの少しの変化が乗り心地や燃費に大きな変化をもたらします。タイヤの指定空気圧とはどのような位置づけで、ドライバーにはどれほどの調整幅があり、それによって燃費と乗り心地は実際、どのくらい変わるのでしょうか?
文/斎藤聡
写真/Adobe Stock、編集部
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燃費向上を狙って空気圧を高めに設定するクルマも
タイヤは「指定空気圧」が基本。でも時々変な空気圧設定のクルマがあります。例えば日産 先代セレナの空気圧は280kPa(≒2.8キロ)でした。ほかにも軽自動車にむやみに高い空気圧のクルマがいくつかありました。
ちなみにJATMA(日本自動車タイヤ協会)の空気圧設定は2.4(一部2.5)キロまでで、それ以上は「ロードインデックス」が上がらないということになっています。
空気圧をなぜ定めるのかというと、タイヤにはサイズごとに荷重の最大負荷能力というのがあって、これを荷重指数(=ロードインデックス)で示しているのです。例えば205/65R16 95Hというサイズ表示の「95」がこれに当たります。
JATMAではこの荷重の最大負可能力の最大値を2.4キロ時(1部2.5キロ)で示しています。ETORTO(エトルト)という欧州のタイヤ規格ではエクストラロード規格というのがあって、空気圧を高くしてより高い荷重負荷能力が得られるように強化されたタイヤの設定があります。
この規格に沿って作られたタイヤだと最大2.9キロまで空気圧を上げて荷重負荷能力を高めることができることになっています。
でもセレナの場合もいくつかの軽自動車の場合も当然ETORTO規格のタイヤではありません。前振りが長くなってしまいましたが、ぶっちゃけてしまえば、これは転がり抵抗を少なくして燃費を良くするためです。
ユーザー向けの1ポイントアドバイスではなく、メーカーが指定空気圧を高くしているのですから、これは間違いなく燃費に効くわけです。
まあ、セレナの場合はボディ重量に対してタイヤサイズが細身なので、空気圧は高めにしてもあまりの乗り心地のネガティブが出にくいというのもあったのでしょうが……。
ともかく空気圧を高くすると燃費はよくなります。
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