ハリアーとRAV4はなぜ共倒れしなかったのか? 似て非なる人気SUVがヒット作になったワケ

ハリアーとRAV4はなぜ共倒れしなかったのか? 似て非なる人気SUVがヒット作になったワケ

 似て非なる同門SUV!? サイズも近いトヨタのSUV、ハリアーとRAV4はなぜ共倒れせず、両車ヒット作に?

 トヨタのミドルクラスSUV、ハリアーが好調だ。直近販売台数は登録車のなかでトップ10圏内をキープし、SUVに限ればトップ3に入る。いっぽう同じトヨタでサイズも近いRAV4も登録車全体でトップ15圏内、SUVではトップ5に入る台数をコンスタントにキープしている。

 キャラクターの違いはあれど、ここまで棲み分けが上手くいった例は多くない。なぜハリアーとRAV4は共存できているのか? 背景には巧みな商品戦略とトレンドの変化があった。

文/渡辺陽一郎
写真/奥隅圭之、池之平昌信、TOYOTA

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■ハリアーとRAV4 人気の実態は?

2020年6月に現行型へフルモデルチェンジされたトヨタ ハリアー
2020年6月に現行型へフルモデルチェンジされたトヨタ ハリアー

 最近はSUVが売れ筋カテゴリーになったが、なかでも特に注目される車種がトヨタハリアーだ。2020年6月に現行型へフルモデルチェンジされ、販売ランキングの上位に入る。

 直近となる2021年1~4月の登録台数は、月平均にすると8681台であった。コンパクトなヤリスクロスは9945台(ヤリスとGRヤリスは除く)、ライズは8747台だ。ハリアーは売れ筋価格帯が350万~500万円に達する上級SUVだが、180万~260万円のコンパクトSUVと同等に売れている。

 トヨタのSUVではRAV4も注目される。現行型は日本では2019年4月に発売された。ハリアーに比べて1年少々早く登場したが、プラットフォームはホイールベース(前輪と後輪の間隔)の数値も含めて共通だ。直列4気筒2Lのノーマルエンジン、2.5Lをベースにしたハイブリッドの動力性能もハリアーと等しい。

 つまり、ハリアーとRAV4は基本部分が同じで、ボディサイズも同程度になる。そうなると互いに需要を奪い合いそうだが、両車とも売れ行きは堅調だ。RAV4の2021年1~4月の登録台数は、月平均にすると4508台であった。8681台のハリアーに比べると少ないが、RAV4も中堅水準の売れ行きを保つ。

 アルファードとヴェルファイアの姉妹車は、2020年にトヨタが全店で全車を扱う販売体制に移行すると、アルファードは好調に売れたが、ヴェルファイアはその約10%まで下がった。基本部分が共通のトヨタ車同士では、競争関係が生じて販売格差も広がりやすいが、ハリアーとRAV4では共存関係が成り立っている。

次ページは : ■なぜ同じSUVで車格も近いハリアーとRAV4は共存できているのか

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