N-BOX ハリアー フィット…人気車の「次」に挑んだ新型車の成否

スバル 2代目レヴォーグ/2020年

スバル 2代目レヴォーグ(販売期間:2020年~/全長4755×全幅1795×全高1500mm)
スバル 2代目レヴォーグ(販売期間:2020年~/全長4755×全幅1795×全高1500mm)

 先代(初代)レヴォーグは2014年に発売された。レガシィツーリングワゴンの後継車種に位置付けられ、走行性能、内外装の造り、安全装備、運転支援機能をバランス良く向上させた。発売の翌年となる2015年には、月平均で約2500台が登録されている。

 登録台数自体は多くないが、レヴォーグは先代型でも売れ筋価格帯が300万~350万円と高く、スバルの国内販売店舗数はトヨタの約10%と少ない。これらの事情を考えると、先代レヴォーグはクルマ好きのユーザーの間で高い人気を得た。

 2代目の現行型は、2020年10月に登場した。エンジンやプラットフォームは刷新したが、ボディサイズやデザインは初代を踏襲している。直近となる2021年1~5月の登録台数を見ると、月平均で約3300台だ。今後の動向は未定ながら、現行型の売れ行きは堅調だ。

 現行レヴォーグは、先代型の優れた商品力を継承しながら、アイサイトXの採用で運転支援機能も進化させている。レヴォーグのユーザーが想定した期待どおりのフルモデルチェンジをおこない、新型への乗り替え重要を効果的に生み出した。

マツダ3/2019年

マツダ3(販売期間:2019年~/全長4460×全幅1795×全高1440mm)
マツダ3(販売期間:2019年~/全長4460×全幅1795×全高1440mm)

 今のマツダ車は、魂動デザインとSKYACTIV技術によって成り立つが、コンセプトやデザインは従来モデルから継承されている。最もわかりやすいロードスターは、初代モデルから車両の性格をほとんど変えていない。

 マツダの主力商品とされるマツダ3も同様だ。日本で3代目アクセラとして売られた先代型と比べても、ボディサイズや車両全体の雰囲気は受け継がれている。

 先代型は3代目アクセラとして2013年に発売され、翌年の2014年には、月平均で約3500台を登録した。2012年には先代CX-5、2014年には現行マツダ2(当時は4代目デミオ)も登場して活発に売られていたが、3代目アクセラも好調だった。

 ところが2019年に発売された現行マツダ3は伸び悩む。発売の翌年になる2020年の登録台数は月平均で約1600台だ。コロナ禍の影響を受けたことを考えて、2021年1~5月の平均を割り出しても、同様に約1600台になる。

 現行マツダ3は外観の個性が強く、特に5ドアのファストバックは後方視界も悪い。後席に座った時にも閉鎖感が伴う。人気の高いクリーンディーゼルターボは、排気量を先代型の2.2Lから1.8Lに下げたこともあって動力性能が物足りない。

 価格は安全装備の充実もあって高めの設定だ。2Lの「20Sプロアクティブ」は251万5741円、ディーゼルの「XDプロアクティブ」は279万741円、火花点火制御圧縮着火方式を使うスカイアクティブXを搭載した「Xプロアクティブ」は319万8148円に達する。

 このほか今のマツダにはCX-30なども用意され、SUVを中心に車種も充実してきた。身内との競争関係も災いして、マツダ3の登録台数は伸び悩んでいる。

トヨタ 4代目ハリアー/2020年

トヨタ 4代目ハリアー(販売期間:2020年~/全長4740×全幅1855×全高1660mm)
トヨタ 4代目ハリアー(販売期間:2020年~/全長4740×全幅1855×全高1660mm)

 初代と2代目のハリアーはレクサス RXの日本仕様だったが、3代目はRXとは別の日本向けの設計になり、従来の都会的な艶っぽさに磨きを掛けた。

 4代目の現行型は、エンジン、ハイブリッドシステム、プラットフォームなどを現行RAV4と共通化しながら、先代型の特徴だった都会的な雰囲気をさらに強めた。外観はリアゲートを寝かせた5ドアクーペ風で、内外装の質もさらに向上させている。走行安定性、乗り心地、静粛性も進化させ、衝突被害軽減ブレーキは自転車も検知する。

 3代目の先代ハリアーは2013年に発売され、翌年の2014年には、月平均で約5400台が登録された。現行型は2020年6月に発売され、2021年1~5月の月平均は約8200台だ。

 先代型に比べて好調で、現行型の販売目標とされる3100台も大幅に上まわる。メーカーの販売目標は生産を終えるまでの平均値だから、発売直後は上まわって当然といえるが、目標の2.6倍に達する車種は少ない。

 ただし、このハリアーの人気は、差し引いて考える必要もある。現行ハリアーの発売とほぼ同時の2020年5月に、トヨタは国内の販売体制を見直して、全店が全車を扱うようになったからだ。従来のハリアーはトヨペット店の専売だったが、現行型は全店の4600店舗が売るから登録台数も急増した。

 その代わりクラウンなどは、以前に比べて売れ行きを下げた。2021年1~5月のトヨタ車の国内販売台数は、前年同期に比べて約14%増えたが、国内市場全体でも約13%増加している。つまりトヨタ車が目立って売れ行きを伸ばしたわけではない。

 今のトヨタ車では、販売体制の変化を受けて、人気車は売れ行きをさらに伸ばしている。逆に低迷気味だった車種は、一層落ち込んでいる。

 かつての日産やホンダと同様、全店が全車を扱う体制に変わり、トヨタ車同士の競争が激化して販売格差も拡大した。この激しい競争のなかで、ハリアーは売れ行きを伸ばしている。

【画像ギャラリー】本稿で紹介した人気車の次に挑んだ5台の内外装をチェック!!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!