電欠救援車が存在しないワケ
実は以前、JAFと日産が共同で製作した電欠救援車にて、電欠となったBEVへのロードサービスの試験運用をしていました。当時は、急速充電ステーションがまだ少なく、バッテリー容量も今の2分の1以下(初期型ZE0リーフは24kWh、現行のZE1リーフは40kWh)、更には効率も低かったため、電欠のリスクが高かったのです。
しかし、前述したように、電欠のリスクが低くなった現在では、JAFが電欠救援車を増車していくよりも、電欠車をレッカーなどで充電場所へと移送したほうが安全かつ早い、というのが実情であり、電欠給電車は、今後も稼働することはないというのが、筆者の見解です。
「チョイ足し充電」がおススメ!!
筆者はリーフを所有していた頃、電欠すれすれには何度かなりましたが、「電欠」はしたことがありません。常に「チョイ足し充電」を心がけ、満充電近くを保つようにしていました。
動力用バッテリーは、急速充電によって劣化が加速します。さらに、高速走行直後に急速充電をするような使い方だと、走行で加熱した動力バッテリーへさらに熱を加えることになり、一層、動力用バッテリーの寿命を縮める原因にもなります。
初期型リーフであっても、セグメント(BEVにおいては、わかりやすくいうとバッテリーの充電能力を表す指標のこと)の欠けに差があるのは、充電した環境の差が大きいといわれています。自宅での普通充電器のみで運用していたオーナーの方が、バッテリーは長持ちする傾向にあります。
やむなく、BEVで長距離移動をする場合でも、バッテリーを使いきってから充電するのではなく、50%を切ったらこまめに短時間(15分程度)の急速充電をして、80%程度で走行スタートすることが、バッテリーに優しいBEVの運用方法だと考えられます。
「亀マーク」は出してはいけない
日産リーフの場合、充電量の残りが10%を切り、走行可能距離が消えた状態で走り続けると、メーター内に「亀マーク」が出現し、間もなく電欠となります。亀マークが出た時点で、時すでに遅し。もはや移動することは困難です。
BEVで電欠させてしまうと、すぐにJAFへ連絡しても、充電開始できるまでには、2~3時間はかかると思われます。BEVで長距離移動をされる場合は、ドライブ計画を綿密に立てることはもちろんのこと、予定していた充電ステーションに空きがなかった場合にも対応できるように計画しておくことが大切です。
BEVは、振動や騒音が少なく、電気自動車ならではの加速フィールが楽しめるのが魅力。電気料金の安い夜間に充電することで、燃料代をおさえることもできます。
つい先日、日産の新しいBEV「アリア」の限定モデルが登場しました。ただ、BEVを検討される際は、ぜひご自身のカーライフがBEVに適しているか考えてから検討されることをおすすめします。
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