【台風注意】暴風雨で飛んできた破片が車に当たってキズ付いた、だれの責任になる!?

【台風注意】暴風雨で飛んできた破片が車に当たってキズ付いた、だれの責任になる!?

 台風6号が日本列島を襲っています。台風による被害には、大雨による水害ととともに、暴風による建物の損壊、農作物への被害や交通障害などが考えられますが、クルマにおいては、大雨で浸水したり、暴風によって飛ばされてきた飛来物によって傷が付いたり損壊する、という被害が考えられます。

 大雨による浸水はどうにもならないところですが、「台風で飛んできた瓦がクルマの窓を突き破った」といった飛来物による損傷は、その飛来物の所有者に賠償を請求したくなるところ。

 台風による暴風で飛んできた飛来物によって、クルマが損傷した場合、その飛来物の所有者に損害賠償を請求することはできるのでしょうか。

文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_英輔 佐藤/写真:写真AC
※再掲載記事です

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損害賠償請求は難しい

 損害賠償を請求するには、その当事者に故意や過失が認められることが必要です。しかし、台風や竜巻などの自然災害が原因で飛んできた飛来物による損害は、その当事者に故意も過失もありません。したがって、損害賠償を請求することは難しい、というのが実情です。

 しかし、その飛来してきた物の設置や保存に、何かしらの不具合があった場合は、損害賠償を請求できることもあります。例えば、台風の予報が出ているにも関わらず、劣化していまにも飛んでいきそうな屋根や小屋などを放置していた、などです。

 ただ、それには、その飛来物の所有者を特定したうえで、設置や保存状態が安全性を欠いたものであったことを証明できる必要があります。例えばお店の看板など、特徴的なものだと所有者の特定はしやすいかもしれないですが、木片であったり、倒木であったりすると、所有者の特定は難しく、さらに過失を立証しなければならないことから、実際のところは、損害賠償請求をすることはかなり難しいようです。

屋根瓦であれば、色や形を見て、所有者を特定することはできるかもしれないが、過失を立証するのはなかなか難しい(PHOTO:写真AC_LYD)
屋根瓦であれば、色や形を見て、所有者を特定することはできるかもしれないが、過失を立証するのはなかなか難しい(PHOTO:写真AC_LYD)

車両保険で直すのにも注意が必要

 今回のように、台風による暴風で飛来した物でクルマが損傷した場合は、自動車保険の車両保険の対象となるため、車両保険をセットにしておけば、このような自然災害にも備えることができます。

 しかし、自動車保険を使用すると、翌年の保険等級が1等級下がり、事故有係数適用期間が1年加算されて保険料が上がってしまうことは、頭に入れておかないとなりません。

 「事故有係数適用期間」とは、「事故有」の係数を適用する期間のこと。同じ等級でも、事故有と無事故では事故有の方が保険料が高く、自然災害で車両保険を使うと、一等級下がったうえに、事故有係数適用期間が延びてしまうため、事故前の保険料に戻るまで2年掛かってしまいます。

 あくまでケースバイケースではありますが、それほど大きな損傷でなければ、車両保険を使わないで直した方が安く済む、ということも考えられますので、保険会社へ相談したうえで、決めることをおすすめします。

損壊の程度が小さい場合は、車両保険を使うか使わないか、慎重に検討が必要(PHOTO:写真AC_ググオ)
損壊の程度が小さい場合は、車両保険を使うか使わないか、慎重に検討が必要(PHOTO:写真AC_ググオ)

走行中のクルマから飛んできたら??

 たとえば、高速道路を走行中に、飛び石でフロントガラスに傷がついた、という場合。この場合も同様で、飛び石を起こしたクルマを特定し、過失があることを証明する必要があります。

 たとえば、前走車から飛んできたことが明らかなドライブレコーダーによる記録があったとしても、飛んできた石が今にも崩れ落ちそうなトラックの積み荷であったなど、明らかな過失が認められなければ、損害賠償請求は難しいようです。

 この場合もやはり、車両保険で直すことになりますが、その場合も翌年以降の保険料に影響してきますので、保険を使うか使わないかは、じっくり考える必要があります。

車間距離を十分にとっておくと、万が一落下物や前走車からの飛来物があっても、被害が少なくて済む(PHOTO:写真AC_うさみのん)
車間距離を十分にとっておくと、万が一落下物や前走車からの飛来物があっても、被害が少なくて済む(PHOTO:写真AC_うさみのん)

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