4人用ミニバンに必要な要素に特化したフリード
コンパクトミニバンを購入していく家族構成は、両親に子ども2人(もしくは1人)が多い。そのため、重視されるのは3列目の居住性ではなく、2列目シートの使い勝手や快適さだ。
シエンタは2列目シートがベンチシートなのに対し、フリードは6人乗りを選択すると2列目シートはキャプテンシートになる。ひじ掛けがあるキャプテンシートのほうが、座った時の収まりがいいし、3列目へのアクセスも、キャプテンシートのほうが行いやすい。
筆者も何度か、シエンタの商談中に、キャプテンシートの話題を出されたことがある。正直、シエンタの2列目シートでは勝ち目がないので、キャプテンシートならと思い、ヴォクシーを勧めることが何度かあった。
実際に、シエンタを購入検討していた4人家族が、キャプテンシートを求め、ノア・ヴォクシーを購入していくことも少なくない。
フリードがライバルの商談は、営業マンの提案力が勝負となる。それでも、トヨタの豊富なラインナップがなければ、話にならない。個人的に、フリード対シエンタで商談をするのは、好きではなかった。
相手は1台で、トヨタ2~3台分の役割を果たす。敵に回すのは非常に厄介なクルマだ。フリードは、4人家族に特化したパッケージングが抜群である。ターゲットを明確にし、欲張らず、的確なアイテムを備える点が、フリードの2つ目の凄さだと思う。
「最高にちょうどいいホンダ」は、今や「最高にちょうどいい日本車」といっても過言ではないだろう。累計販売台数100万台を突破したのも頷ける。
ホンダは、コンパクト=女性、ミニバン=多人数という固定概念を取り払い、4人家族が快適に過ごせるクルマを作った。日本の家族に、ちょうどいいフリードは、今後も販売台数を伸ばしていくだろう。
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