■ホンダアクセスの脱出ハンマーはポンチ式
試験で取りあげられた製品のなかで、自動車メーカーが独自で開発して純正オプション品として扱われているものがある。
ホンダの純正アクセサリー製品がディーラーなどを通じて販売する、ホンダ傘下のホンダアクセスが開発した緊急脱出・救出用のツールである「スマートレスキュー」(2018年発売)。
これは製品形態として金槌型ではなく、金属ポンチを当ててガラスを破砕する方式を採る(一部車種ではレスキューマンⅢを純正オプション品として設定)。
スマートレスキューでは、ガラスを粉砕する超硬チップ付き自動ポンチにキャップ型のベルトカッターがついたツールを、専用のホルダーに入れてグラブレールに面ファスナーで固定する。
サイズをコンパクト化することで使用しない際は邪魔にならず、必要な時にはすぐ手が届くよう運転席側グラブレールに装着でき、運転席に座った状態でもすばやく取り外しが可能としている。価格は6050円(ディーラーによって変わる場合あり)。
■はたして脱出用ハンマーは車載が義務化されるのか?
最後に国土交通省自動車局審査・リコール課に、改めて近い将来に脱出用ハンマーの装備が法律によって義務化される予定があるのか訊いてみた。
結果としては、「今後検討する」という回答になった。ちなみに、試験結果の内容について、性能面に課題がある製品についてはメーカーに内容を伝えているとのことだ。
すべての製品がテストに合格しているため、製品個別の結果は公表されていないが、特定メーカーに不利益になるようなケースがないように配慮したともとれる。
いずれにしても豪雨災害時には現実に人の命が奪われる事態が起こっているということを考慮して、法律による装備の義務化を考えてもらいたい。それこそユーザーが普段気づかない「安心・安全」をもたらす効果は絶大と思うのだがいかがだろうか。
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