■カタくもないしチャラくもない、丁度よいカッコよさと変わらぬ実用性が魅力
アルテオンシューティングブレークをパサートヴァリアントと並べると、健康的な遊び人対公務員。アルテオンシューティングブレークのほうが、断然イケてる。でも、遊びすぎてはいないし、高級すぎることもない。なんとも絶妙な落としどころだ。
サイズは、アルテオンとまったく同じで、全長が伸ばされていたりはしない。全長4870mm、全幅1875mmは十分大柄だけど、この大柄さがアルテオンのウリではないだろうか? 同クラスのアウディA5スポーツバックより一回り大きいのに安いという、この大盛り感がイイんだよ!
後席に座ってみると、閉塞感もなくてメッチャ広い! さすが全長4870mm。スタイリッシュだけど、居住性をまったく犠牲にしていないところは、さすが実用車ブランドのフォルクスワーゲンだ。
ラゲージスペースがまた広い。VDA方式による容量は、アルテオンもシューティングブレークもほぼ同じ(563L対565L)だけど、シューティングブレークのほうが天地方向のサイズがあるので、いざとなったら当然いっぱい積める。もちろん、A5スポーツバック(456L)よりずっと広いのは言うまでもないですね。
そして、ゴルファーにとって嬉しいのは、ラゲージ後端部が左右に凹んでいて、ゴルフバックを真横に積めるようになっていること。アウディはこの凹みが小さくて、真横に積むのはムリだ。アルテオンシューティングブレークの勝利!
■パワフルで快適な走りも楽しめる
ところで、アルテオンのマイナーチェンジの内容だけど、まずはフロントとリヤまわりのデザインの小変更。以前よりちょっとだけアグレッシブになった。でも相変わらず「謎の高級車」っていう雰囲気は維持している。
インテリアは、ダッシュパネル全体のデザインを改良。正直、あんまり細かいところまで覚えてなかったので、どこが変わったかわからなかったけど、フォルクスワーゲンらしい堅実さの中に、キラリと光るスタイリッシュさがあって、これまたとってもちょういい感覚だ。
運転支援システムは、同一車線内全車速運転支援システム「トラベルアシスト」に進化した。でもまぁこのトラベルアシスト、他社のソレに比べて特に優れている点はない。今ドキのごく標準的なソレです。
今回の試乗では、高速道路でレーンキープシステムが、なぜか車線の右端を走りたがる癖があった。でもまぁ、どうせハンズオフができないなら、これくらいで問題ナシ。ロングドライブも適度にリラックスしてこなせるでしょう。
エンジンは、272馬力/350Nmの直列4気筒2リッターターボだ。以前は280馬力だったのが8馬力落ちたのは、わかりやすく表記をちょうど200kwにしたからだろうか(以前は206kw)。現実的にはなんら変わらずパワフルだ。
ミッションも7速DCTで変わらず。そしてフルタイム4WDの4モーション。コンフォートモードで静かにカイテキに、スポーツモードでは獰猛な快音を奏でて走ります。
アウディA5スポーツバックの最上級グレード「45TFSIクワトロSライン」は249馬力/370Nmで707万円。アルテオンシューティングブレークの「TSI 4モーションRラインアドバンス」は644万6000円。
エンジンはアウディが縦置き、アルテオンは横置きだけど、運転していてその違いが判る人はまずいまい。アルテオンシューティングブレーク、ますますシブイ選択だ!
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