なぜ今ワゴンRにスライドドア採用? スライドドアが人気を高めた3つの理由

■スライドドアが人気を高めた3つの理由

狭い駐車などで隣のクルマにドアをぶつけることなく、乗り降りができるのはいい
狭い駐車などで隣のクルマにドアをぶつけることなく、乗り降りができるのはいい
タントのミラクルオープンドア。助手席側のセンターピラーがないため開口部が広くベビーカーを抱えた状態で乗り込める
タントのミラクルオープンドア。助手席側のセンターピラーがないため開口部が広くベビーカーを抱えた状態で乗り込める
センターピラーレスではない両側スライドドアを採用するスペーシア
センターピラーレスではない両側スライドドアを採用するスペーシア
助手側のセンターピラーレススライドドアを採用するN-VAN。ちなみにN-BOXにはセンターピラーレスドアを採用していない
助手側のセンターピラーレススライドドアを採用するN-VAN。ちなみにN-BOXにはセンターピラーレスドアを採用していない

 このようにスライドドアを備えた軽自動車が人気を高めた背景には、大きく分けて3つの理由がある。

 まずはスライドドアが便利なことだ。ワゴンやSUVが採用する横開きのドアに比べると、開閉時にドアパネルが外側へ大きく張り出さない。隣に駐車する車両との距離が近い時でも、ドアパネルをぶつける心配がなく、乗り降りもしやすい。

 横開きの場合は、自車のドアパネルによって開口部が狭まるが、スライドドアであれば広い。オプション、あるいは標準装備として電動開閉機能も装着できるから、子供を抱えたり、両手で荷物を持っている時でも開閉操作がしやすい。

 またタントやN-VANは、左側のセンターピラー(天井を支える中央の柱)をスライドドアに内蔵させた。そのために左側のドアを前後ともに開くと、タントの開口幅は1490mm、N-VANは1580mmに広がる。

 タントであれば、助手席を前側にスライドさせておくと、ベビーカーを抱えた状態で乗り込める。雨天時など、車内で子供をベビーカーから降ろし、後席のチャイルドシートに座らせる作業を行える。

 N-VANは軽商用車で、助手席も床面へ落とし込むように格納できる。ほかの軽商用バンと違って運転席以外はすべて荷室になるから、左側の開口幅が1580mmに達すると、ボディの左側面を使って大小さまざまな荷物を積み込める。作業効率を大幅に向上させられる。

新型タントは引き続きセンターピラーレスのミラクルオープンドアを採用するが、ピラー内臓スライドドアでボディ剛性が強化されているので、走行安定性においてヤワに感じることはない
新型タントは引き続きセンターピラーレスのミラクルオープンドアを採用するが、ピラー内臓スライドドアでボディ剛性が強化されているので、走行安定性においてヤワに感じることはない

 ボディ剛性を確保するため、両側のピラー(柱)をスライドドアに内蔵させるのは困難だが、左側だけでも開口幅をワイドにできると使い勝手が向上する。ピラー内蔵型のような発展性もスライドドアのメリットだ。

 スライドドア装着車の売れ行きが好調で車種数も増えた2つ目の理由は、その多くが国内向けに開発されたことだ。アルファードのように海外で人気を高めた車種もあるが、それでもカムリなどのセダンとは異なり、基本的には国内市場を重視する。スライドドアの軽自動車となれば国内専売だ。

 つまりスライドドアを備える車種は、日本のユーザーを見据えて開発され、デザインやスライドドアドア以外の機能も日本のユーザーに寄り添う。だからこそ好調に売れる。スライドドアも、日本のユーザーを見据えて開発された要素のひとつに位置付けられる。

 スライドドアが普及した3つ目の理由は、比較的若い世代を中心に、スライドドアが標準的な機能になったことだ。スライドドアは、1990年に発売された初代エスティマや初代セレナあたりから普及が始まり、1996年の初代ステップワゴンなどから販売に弾みが付いた。

 したがって1990年以降に生まれた31歳以下のユーザーには、スライドドアを備えるミニバンなどを使いながら育った人達も多い。後席にスライドドアが装着されていないと不便に感じられ、クルマを選ぶ時の大切な条件になっている。

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