現場では意外と好評だった? 営業マンが復活を熱望する絶版車 5選

■トヨタ セラ

1990年登場のトヨタ セラ。ルーフのほぼ全面がガラスという開放的なルックスとガルウイング式ドアを備えたスーパーカー的な雰囲気を楽しめる車だった
1990年登場のトヨタ セラ。ルーフのほぼ全面がガラスという開放的なルックスとガルウイング式ドアを備えたスーパーカー的な雰囲気を楽しめる車だった

 ダイハツ タフトのスカイフィールトップや、SUVやミニバンではパノラマルーフを採用するなど、ルーフの大部分がガラス張りとなるクルマが増えている。そこでセダンやクーペにも、ガラストップのクルマが欲しくないだろうか。

 1990年から1996年まで販売されていたセラは、ボディ上部をほぼガラスが占める。戦闘機のキャノピーのような雰囲気をもつグラッシーキャビンが用いられ、ドアの開閉にはガルウィング式を採用した。

 当時のクルマとしては、もはや異次元の領域であり、初めから人気の出るクルマとは思われていなかっただろう。予想通り、大して売れずに終わったクルマだが、各所に見られるコンセプトや技術は秀逸だった。

 特殊なクルマではあったが、それほど高額な値付けではなく、ガルウィングやガラスルーフを誰もが楽しめた。このように「雰囲気」を楽しむクルマが昨今増えており、セラもその一端に食い込めるに違いない。

■ダイハツ テリオスキッド

1998年登場のダイハツ テリオスキッド。フルタイム4WDを採用した軽SUVで、走破性も快適性も良好だった。キノコミラーが時代を感じさせる
1998年登場のダイハツ テリオスキッド。フルタイム4WDを採用した軽SUVで、走破性も快適性も良好だった。キノコミラーが時代を感じさせる

 ここからはトヨタ車以外で復活を望む2台を紹介していこう。まずは、ダイハツの軽SUV、テリオスキッドだ。

 1998年から2012年まで販売され、センターデフ付きフルタイム4WDを採用し、軽自動車ながら大人が後席でもしっかりと座れるクルマに仕上がっている。

 走行性能は本格クロカンに負けず劣らず、快適性で比較したらジムニーやパジェロミニは手も足も出ないだろう。

 現在はタフトやハスラーが軽SUVを牽引するが、テリオスキッドの性能は、走りも快適性でも、両者を凌駕する。当時は相手にされなかった、テリオスキッドのコンセプトは、現代にドンピシャでマッチングすると筆者は思う。

■マツダ MPV

1990年登場のマツダ MPV。マルチパーパス・ビークル=多目的車という用途を、そのまま車名にしているところにもマツダの自信がうかがえた。写真の3代目は2.3Lターボ車もあり、スポーティさも光っていた
1990年登場のマツダ MPV。マルチパーパス・ビークル=多目的車という用途を、そのまま車名にしているところにもマツダの自信がうかがえた。写真の3代目は2.3Lターボ車もあり、スポーティさも光っていた

 マツダのミニバンづくりは秀逸だった。プレマシーのカラクリ7thシートや、天井にポップアップ型のテントが出来上がるボンゴフレンディのオートフリートップなど、楽しさあふれるミニバンを数多く生み出している。

 なかでもMPVは、ミニバンに「走りの楽しさ」を掛け合わせたクルマだ。

 ブレーキ径がRX-8と同等で、たっぷりとしたブレーキ容量を確保している点や、エンジンアンダーカバーを装着し、空力にもこだわる。居住性や空間機能を高めたくなるミニバンで、マツダは走りの性能を究極的に高めていった。

 トヨタ・ホンダ・日産などとは販売力に差があり、爆発的な人気は得られなかったが、クルマとしての完成度は高く、ユーザーからの支持も厚い。走りのイメージをSUVに移し、大成功しているマツダなだけに、もう一度、本気でミニバンを作ってほしいと切に願う。

*   *   *

 高い実力を持ちながら、消えていったクルマは数知れない。時代やユーザーが理解しなかったのか、それともメーカーの諦めが早すぎたのか。取り上げてきた5台も、あと10年発表が遅ければ、その評価は大きく変わったはずだ。

 いつの時代も、メーカーが本気になって作ったクルマは魅力的である。記録を残せるクルマではなく、人々の記憶に残るクルマが、これからも数多く生まれていってほしい。

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