■これからも乗り続けるご予定ですか?
足りない部品は、オーバーホールや他車種から流用したりして、動かせる限りは乗りたいですね。でも、自分の体力のほうが先にリタイヤしそうなので頑張ります!(笑)。
■未来のオーナーのために購入時のチェックポイントや愛車のウィークポイントを教えてください
30年前の台数の少ないクルマということもあり、基本的には維持には苦労すると思います。壊れると直すのが大変なので、普通の乗れるコンディションのアルシオーネSVXに出逢えたらかなりラッキーだと思います。
直したくとも部品を探すのに苦労するので、「乗るよりも修理している時間のほうが長くなるクルマ」になっていますね……。
それと車重に対して、ブレーキは容量が不足気味なので、強化するとコントロールしやすくなります。
また、初期型ATには、3.3リッターエンジンのトルクは負荷が大きいので、滑りや変速ショックを防ぐため、ATFの管理やソレノイドバルブの劣化はチェックしたいですね。
電気系については振動などではんだ割れやコンデンサ不良が起きている場合は、中古良品などで交換しておきたいです。
■コザワさんにとって愛車はどんな存在ですか?
長距離をのんびりドライブするのが一番得意な相棒…でしょうか。
「いわゆる『ツアラー』ってこういうクルマのことを指すんだ」ということを教えてくれた存在ですね。どんな嵐の時でも安心して乗れるし、その気になれば高速巡航のまま10時間でも走ることができて、なおかつ体への負担も少ない、懐の深いクルマですよね。
サーキットも普通に走れますが、高速道路を80~90km/hくらいでのーんびりと長時間流しているのが一番しっくりくるように思います。クルマというより「船」に近いかもしれません。
例えばレガシィにも、SVXのツアラーとしての血が引き継がれているのではないか、と考える時もあります。ツアラーという血を残したという意味では面白い存在だなと思います。
マイナーなクルマだけに、修理部品を確保するためにあちこち情報収集したりと、何かと手がかかりますが、それだけに快調に動いている時の気持ちよさは格別ですよ!
■取材後記
もともとはレストアベース車だったというこざわさんのアルシオーネSVX。くたびれた個体が見事な復活を遂げ、イベントに展示するショーカーへと変貌を遂げるほど美しく生まれ変わったのだ!!
もしも、こざわさんがレスキューしていなかったら、すでに廃車となっているか、部品取り車としての運命が待ち受けていたかもしれない。
嫁ぎ先次第でクルマの運命が大きく変わる。このアルシオーネSVXは間違いなく幸運な1台といえる。もともと生産台数が6000台に満たないというアルシオーネSVX。ましてや、こざわさんの個体は世界に1台しか存在しないスペシャルモデルだ。
その価値と重要性をもっとも理解しているオーナーのこざわさんや主治医であるK-STAFFの皆さんが、この個体を後世に残すべく尽力してくれるに違いない。
【画像ギャラリー】元はレストアベース車。世界に1台のみ! シャープなフェンダーラインを求めてワイド化されたアルシオーネSVX
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