■コンパクトSUV/2:一見すると高く見えるが実はお買い得なホンダヴェゼルのe:HEV
トヨタカローラクロスのライバル車はホンダヴェゼルだ。機能や装備の割に価格を安く抑えた。前述のようにカローラクロスが買い得度を強めた背景にも、ヴェゼルへの対抗がある。
ヴェゼルのパワーユニットは、直列4気筒1.5Lのガソリンエンジンとハイブリッドのe:HEVだ。後者では、エンジンは主に発電を行い、その電気を使って駆動用モーターを作動させる。モーター駆動だから瞬発力が優れ、加速も滑らかだ。
内装も上質で、後席の足元空間はカローラクロス以上に広い。Lサイズセダンに匹敵するので、4名乗車時でも快適だ。その代わり荷室長(荷室の奥行寸法)はカローラクロスを下まわるが、ヴェゼルは燃料タンクを前席の下に搭載したから、後席をコンパクトに格納できる。シートアレンジは多彩で実用的だ。
e:HEV・Zは、リアゲートの電動開閉機能や18インチアルミホイールなどを標準装着して価格は289万8500円になる。価格だけをみれば高く見えてしまう。それは199万円からと見出しをよくみかけるカローラクロスが頭にあるからかもしれない。あの価格はガソリン車の最安値。カローラクロスのハイブリッドはGが259万円、Sが275万円、Zが299万円。こうしてみると、289万8500円のホンダヴェゼルe:HEV・Zは、実用性や質感を高め、装備も充実させながらこの価格は割安だ。
■コンパクトカー/1:身内のヤリスHVより高いアクアだが中身はお値段以上
アクアはコンパクトなハイブリッド専用車で、1ヵ月の月販目標台数を9800台に設定した。ヤリス(ヤリスクロスとGRヤリスを除く)は、ハイブリッドのほかに2種類のガソリンエンジンも用意して7800台だから、アクアはハイブリッド専用車なのに販売目標はヤリスの1.3倍に達する。
それだけに高機能で価格は割安だ。ヤリスに比べるとホイールベース(前輪と後輪の間隔)を50mm拡大して後席の足元空間を広げ、4名乗車時の快適性を向上させた。インパネ周辺の質感も高めている。またヤリスよりも走行安定性や乗り心地のバランスも優れ、機能とデザインを幅広く向上させた。
アクアの価格は最上級のZ(2WD)が240万円で、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、災害時にも役立つ100V・1500Wの電源コンセント、バイビームLEDヘッドランプ、アルミホイール、10.5インチのディスプレイオーディオなどを標準装着している。
アクアZの価格はヤリスハイブリッドZに比べて7万6000円高いが、ヤリスにアクアが標準装着するアルミホイールと100V・1500Wの電源コンセントをオプション装着すると、12万6500円が上乗せされる。
そうなると合計価格は、アクアZが5万500円安くなるのだ。さらにアクアは、前述の通り後席の居住性、内装の質感、乗り心地なども上まわるから、販売の好調なヤリスハイブリッド以上に買い得感を強めた。
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