■手を結んだ軽の二大巨頭
ダイハツとスズキはCJP(カーボンニュートラルへの取り組み加速を目的とした商用事業プロジェクト)に参画し、トヨタが保有する“コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ株式会社の株式を発行済株数の10%ずつ譲り受けることが発表されている。
つまり、“昨日の敵は今日の友”ではないが、軽商用BEVの開発でスズキとダイハツがタッグを組んだこととなったと見られている。もちろん、これが軽商用車だけに終わらず軽乗用BEV開発への協業へも波及するというのも自然な流れに見える。
今回のロッキーシリーズのシリーズハイブリッドの追加は、考え方によってはダイハツとスズキでの共同開発による軽BEVにまで話が及ぶ壮大な軽自動車変革の第一歩と飛躍して考えることもできるのである。
ここで気になるのがホンダの動き。軽商用BEVの開発になると考えられるが、スズキとダイハツはすでに事実上提携を発表している。
長い間、まさに“仁義なき”販売合戦を展開していた軽二大ブランドがあえて手を組まないと、軽自動車のBEV化というものは、“仲間”を増やさない限り、かなり実現の難しいテーマでもあるのだなと見ることもできる。
ホンダは単純なアライアンスでさえパートナーらしいパートナーが見えない、世界的にも珍しい独立独歩をいくブランドともいえる。また、そこがホンダファンとしてはホンダ車を愛してやまないのかもしれない。
しかし看板車種が軽自動車、しかもN-BOXに事実上限られるなか、政府も2035年あたりまでに電動車以外の販売を禁止するとしているので、電動化は避けては通れないテーマ。
ただ、それを単一メーカーだけで推し進めるのは、とくに量販が使命の軽自動車の世界ではかなり難しいように思えるのだが……。
日本固有と言うか、地域限定となる軽自動車であるが、その二大ブランドであるスズキもダイハツも、A/Bセグメントとのプラットフォーム共用化などを進め、ASEANなどグローバルマーケットを巻き込まないと、いまの価格維持はできなくなってきている。
日系ブランドは車両電動化へ、取り返しのつかないほど出遅れているのではないかと外野は心配している。その日本車の電動化は軽自動車からダイナミックに進んでいきそうである。
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