■温暖化対策と自動車業界の今後は
しかし、今のところではあるが、その政策を見直す兆候はゼロ。風力や太陽光など再生可能エネルギー拡大に力を入れ、ガソリン車やディーゼル車をBEVに置きかえるインセンティブ政策も粛々と進んでいる。
クルマ好きの視点で見ていると、まるで自分がぶら下がっているロープを切るような行為にも思えるのだが、よほどのことがないかぎりEUの指導者たちは現在の政策を変更するつもりはないようにみえる。
自動車業界の将来を予想するのは困難だが、とりあえず以下の3パターンくらいの可能性が考えられるのではないかと思う。
(1)EU主導のするカーボンニュートラル政策が世界に広がり、2030年代に先進国では内燃機関がほぼ姿を消す。いわば急進的なカーボンニュートラル化。
(2)EU市場を中心にBEV比率が高まるが、北米、中国、アジアはBEV比率はソコソコのまま、PHEV、HEVなど内燃機関が長期にわたって活躍する。日本が主張する漸進的な電動化。
(3)エネルギー問題の深刻化でカーボンニュートラル政策が停滞。自動車業界の問題ではなくエネルギー政策でつまずく。
個人的な希望としては、できれば(2)のシナリオで軟着陸して欲しいけれど、欧州ではBEVにあらずばクルマにあらずみたいな強硬意見もあり、果たしてどうなるかはまったく未知数。
現在のEUのエネルギー政策は、太陽光、風力、水力といった再生エネルギーにすべてのチップを賭けるギャンブラーだから、昨今のイギリスやドイツのエネルギー危機を見るに(3)のシナリオでバッドエンドを迎える可能性も無視できない。
ハードランディングは勘弁してほしいけれど、いずれにせよ答えはあと5年くらいで出るはず。個人的にはその答え合わせをするのが老後の楽しみですねぇ。
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