■センターラインだけでなく『車両境界線』にも多彩な意味
センターラインではなく複数車線が存在する場合は車線を分けている線もあります。これは「車線境界線」と呼ばれます。余談となりますが、クルマが走る部分が車線なので、それを分けている線が車線境界線というわけです。
しかし、車線境界線そのものを車線と呼ぶこともあります。また、車線のことを車両通行帯と呼ぶこともあります。車線と車両通行帯は微妙に異なるのですが、このあたりの用語が複雑なのも、道路の車線がわかりにくくなる原因のひとつといえるでしょう。
さて、車線境界線には次のものがあります。
・「白の破線」は、車線変更が可能な場所です
・「白の実線」は、白の破線と同じ運用ですが、より車線境界線を強調したい場合に用いられる
・「黄色の実線」は、車線変更禁止の場所
以上が基本的な車線境界線のバリエーションですが、最近はちょっと違うものが登場してきました。それが黄色い破線です。教習所(もっとも40年も前の話です)でも聞いたことがありません。免許更新の講習でも聞いていません(ゴールドで講習時間が短いからか?)。
■新しく出てきた黄色い破線の意味は?
調べてみると、この黄色い破線は予告として用いるもので、この先で車線禁止の黄色い実線が現れますよ……という予告のためのものとのこと。黄色い破線の先には必ず黄色い実線が現れるというわけです。
ときどきカーブの先に信号があって見えないときに、予告信号というのがあってそれがずっと黄色で点滅していたり、その先の信号と連動していたりすることがありますが、そうしたタイプのペイント版と考えてもいいでしょう。ということで、扱いは白い実線や破線と同様に車線変更は可能ということになります。
しかし、これはどうなのでしょう? なんだか覚えることを増やしてどんどんわかりにくくなっていくばかりです。インフォメーションは確実にそして明確にするべきだと思うのです。
今回のこの黄色破線はまあわかりやすい部類に入ると思うのですが、調べないとわからないようなものはダメです。もっと周知徹底してくれないと困ります。
たとえば、この黄色破線のところで車線変更したら、後続のクルマが黄色い車線なので車線変更禁止場所だと勘違いしてあおられるかもしれません。実際に運用を始める前に、周知徹底してそれが済んでから運用を開始するべきです。テレビなどのメディアももっと扱ってくれると、こうしたものの周知が進むでしょう。
また、白の実線については道路の左側にも引かれていることがあります。これは歩道のない場合は路側帯となり歩行者が歩ける場所なのですが、歩道が存在している場合は「車道外側線」となります。
車道外側線は、クルマやバイクは通れませんが、自転車などの軽車両は通ることができます。道路左側の白線が2本引かれている場合は歩行者用の路側帯、白い実線の左側に白い破線が引かれている場合は駐車禁止の路側帯となります。それぞれの違いはまた別の機会に説明しましょう。
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