■ターボ、スーパーチャーチャージャーを積んだモンスターマシンも登場!
■日産マーチスーパーターボ/中古車流通台数1台、249万円
シャレードやカルタスに刺激を受けて、ホットモデルを設定したのが日産マーチ。1982年に登場した初代モデルは長い間空白となっていた1Lクラスを埋めるべく、チェリー以来となるリッターカーとして登場した。
デザインはジウジアーロが手掛けて、スタイリッシュさとコンパクトなサイズながら大人4人がちゃんと乗れる室内空間を両立していた。
1985年に最高出力76psを発生する1Lターボエンジンを搭載したマーチターボを追加。そして1988年にはレースのレギュレーションに合わせてエンジンの排気量を930ccに縮小したエンジンに機械式スーパーチャージャーとターボの2つの過給システムを搭載した競技用車両マーチRを発表。
そのマーチRをベースに公道仕様としたのが、1989年に追加されたマーチスーパーターボである。
最高出力110ps、最大トルク13.3kgmを発生するツインチャージエンジンは、低回転はスーパーチャージャー、高回転域はターボチャージャーという2つの過給器を搭載。当時「1リッター当たり118ps」という国産車トップレベルのパフォーマンスを誇った。
トランスミッションは5速MTで、標準装備のビスカス式LSDを介しての走りは“じゃじゃ馬”そのものだった。
現在初代マーチの中古車は1台しか流通しておらず、その1台がスーパーターボ。価格は249万円と新車時価格を上回るプレミアム価格となっている。
1980年代のFFの駆動方式を採用したホットハッチは、みんなエンジンパワーにシャシーが負けていて、ほとんどのクルマが強烈なアンダーステアでドライバーはそれをねじ伏せるように運転していた。
アンダーステアが強いとコーナリング時に出口が見えるまでアクセルを踏むことができず、アクセルをいち早く踏んでいけるFR車の後塵を拝することが多かった。
■徐々に減少しているリッターカーのホットハッチ!
■ダイハツストーリアX4/中古車流通台数2台、約149万~約188万円
1990年代に入り、ホットハッチと呼ばれるモデルはリッタカークラスではなく、シビックやパルサー、ミラージュ、ファミリアといったテンロククラスに移行したが、1998年に登場したダイハツストーリアに設定されたX4(クロスフォー)は競技用車両とはいえ、久しぶりのリッターカーに登場したホットハッチモデルだった。
ストーリアX4はラリー参戦を目的としたグレードで、ボディカラーはホワイトのみ装備も簡素化されていた。搭載するエンジンは、軽自動車用の660cc直列4気筒DOHCターボを713ccまでボアアップ。
駆動方式は4WDのみで、ブースト圧を高めて最高出力120psを発生するため、使用燃料はハイオクガソリンが指定されていた。
現在、ストーリアの中古車は2台しか流通していないが、いずれもX4。価格帯は約149万~約188万円となっている。
■ダイハツブーンX4/中古車流通台数5台、約80万~245万円
ストーリアの後継車となる2004年に登場したブーンにもX4を2006年3月に追加した。最高出力133psを発生する1L直列4気筒ターボを搭載し、駆動方式は4WDとなっている。このブーンX4の中古車は現在5台流通していて、価格帯は80万~245万円と幅広くなっている。
1979年に日産セドリックに搭載されたターボ。1980年代に入ると高級車だけでなく、軽自動車にも搭載され、アルトワークスやミニカダンガンといったホットハッチが続々と登場した。
リッターカーのホットモデルのパイオニアであるシャレードにもターボエンジンが搭載され、小排気量でも過給が掛かった際の加速力は魔法のような感覚だった。その一方で燃費性能が悪く、ブーストアップなどのチューニングを行うと壊れるというデメリットもあった。
そういったデメリットをわかりつつ速さを追求したのが1980年代だった。その1980年代の若者たちに手軽の速さを授けてくれたのが、今回紹介したリッターのホットハッチだったのだ。
もし、1Lターボエンジンを搭載したセレリオが輸入されると、50代以上のおじさんたちだけでなく、若者も色めき立つのは間違いないだろう。ぜひ日本でも発売してほしい!
【画像ギャラリー】懐かしのホットなリッターカーとインドで誕生した現代のリッターカー スズキ セレリオ(21枚)画像ギャラリー
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