選んだ色で運命が決まる!? 愛車の価値を高めるお得なボディカラーとは?

■ボディーカラーで変わるリセールバリュー

トヨタ カローラ(9代目)
トヨタ カローラ(9代目)

 このような話では、全般的に黒系ボディカラーのリセールバリューが良いという話もある。アルファード&ヴェルファイアや、カスタム系ミニバンなど黒系ボディカラーが選ばれることが多く、新車販売時でも人気も高いが、筆者は以前9代目トヨタカローラで、カローラでは珍しいブラックマイカのボディカラーに乗っていた。

 まわりの人からは「クルマそのものも立派になったけど、黒だからカローラとは思えなかった」といったことをよく言われた。

 6年ほど乗ったあとにシリーズ10代目となる初代トヨタカローラアクシオに乗り換える時には、数が少ないブラックマイカということもあり、海外バイヤーが注目したとの話もあるが、最初の下取り査定額が55万円だったのだが、2カ月後に再査定したら77万円となった。

 初代カローラアクシオでは有償色となるパールホワイトを選んだ。パールホワイトは日本国内では“鉄板人気色”とも呼ばれ。ほぼどのモデルでも有償色となるのだが、追加で払った分は間違いなくリセールバリューがアップするとされている。

トヨタ 初代カローラアクシオ(スーパーホワイト)
トヨタ 初代カローラアクシオ(スーパーホワイト)

 ただ、東アジアから中近東にかけては白系のボディカラーは“塗装されていない(下地の色との認識)”とする国が多く、これらの地域の国の中にはタクシーなどの営業車やはたらくクルマのボディカラーとされている。

 インドでは一般的なタクシーは勝手にどんどん相乗りさせていくので、富裕層や外国人向けに“プライベートタクシー”というチャーター方式のタクシーがあった。だがいまはウーバー車両(アプリ配車サービス)として活躍しているが、それらの車両のボディカラーは白で統一されている。

 日本仕様とアメリカ仕様のカローラセダンのボディカラーバリエーションは、ラインナップは多少異なるものの、数はほとんど同じとなっている。

 しかし、アメリカではディーラーの展示場に並べられている在庫車から購入車種をセレクトし、気に入って購入すれば、その日に乗って帰ることができるので、新車ディーラーの多くは広大な展示スペースを持ち、どれだけ多くの展示車を並べることができるかが売り上げに直結するともいわれている。

 その点では購入検討者としては実車を見て色味などをチェックできるというメリットも大きい。

■マイナーチェンジでカラバリが減る?

リセールバリューが伸びないといわれている赤系だが、女性が好む車種やカテゴリーの車はこの限りではないようだ
リセールバリューが伸びないといわれている赤系だが、女性が好む車種やカテゴリーの車はこの限りではないようだ

 一方の日本では受注生産が大原則なので、ディーラーへ行っても実車で色味をチェックすることはできない。まずはカタログの配色表などで説明を受けるが、印刷物なので実際の色味とはかけ離れている。

 カタログでは納得できないお客のためにセールスマンは、より実色に近い色見本を持っている。トヨタのショールームへ行くと、扱い車のミニカーがズラッと並んでいるが、これは色味を見てもらうものにもなっている。

 現場のセールスマンは、「ボディカラーの選択で悩まれたり、こだわりのあるお客様については、弊社のストックヤードにお連れして実車をお見せすることもあります。

 うやむやのなか受注しますと、納車の時に『イメージと異なった』としてキャンセル騒ぎにもなるケースがあります。とくに女性はこだわりを持たれるお客様が多いので慎重にご対応するようにしております」と話してくれた。

 その女性ユーザーのなかには新車購入時に赤系のボディカラーを選択することが多い。先日街なかを歩いていると、某ドイツ系高級ブランドのソリッドレッド(真っ赤)のミドルサルーンが走ってきて驚いた。

 赤系は同型車のなかでもリセールバリューのダウンが一般的には目立つとされている。ただ、軽自動車やコンパクトカーでは中古車でも女性が赤系を好んで選ぶケースも多いので、目立って値落ちすることはないとの話を聞いている。

 流行色やパステル系など極端に個性的なボディカラーはこの限りではないようだ。「大ヒットした3代目プリウスでは、赤と同じぐらいにミントグリーンのボディカラーだと、下取り査定額が伸び悩み苦労しました」(現場セールスマン)とのこと。

 「それでもボディカラーのラインナップを見ると、ソリッドブルーとか個性的なカラーがラインナップされている新車を見かけるが?」と疑問を持つ人も多いだろう。たとえ、世の中でシルバーやホワイトのクルマばかりとなっていても個性的なボディカラーのクルマに乗りたいという人は絶対数いる。

 そして多様化する現代社会ではますますその数は増えているので、とくにそのモデルそのものが気に入って購入するケースの多い前期(マイナーチェンジ前)モデルではラインナップは多くなり、マイナーチェンジのタイミングなどで減らす傾向がある。

 「塗料会社から購入する際は、最低量というものは250台分と聞いたことがあります。250台分単位で発注するので、特別限定車が250や500台となるのはそのためのようです。特別限定色ではなくとも、人気色との抱き合わせのように個性的なカラーを購入することもあるようです」とは事情通。

 大人気のアルファードだが、高いリセールバリューを維持するのには、パールホワイトか黒系カラーが絶対条件となっている。赤系は海外への中古車輸出で人気があるともされているが、海外は移り気が激しいのでリスキーな選択といえる。

 この赤系も含み、アルファードでは、パールホワイトもしくは黒系以外を選択すると、アルファードとしての恩恵は期待できないともいわれるほど、リセールバリューに差が出るようだ。

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