THSとの同居がかなり難しい
水平対向エンジン+シンメトリカルAWDはスバルのアイデンティティだ。スバルとしては、今後も続けていかなければならないところであろうが、このアイデンティティこそが、スバル車のストロングハイブリッド化を阻んでいる。
スバルは、2020年1月に開催されたスバル技術ミーティングにおいて、将来的なパワートレイン構想を発表しており、「2030年には電動車両の比率を40%にする」としている。そのメインとなる戦略は、新世代1.8リッターターボエンジン(レヴォーグ搭載のCB18型)のさらなる高効率化、ハイブリッドシステム導入、そしてバッテリーEVの3本柱だ。
ハイブリッドシステムは、マイルドはe-BOXER、ストロングとプラグインは、おそらくトヨタのTHSの流用で、バッテリーEVはトヨタと共同開発のCセグSUV「ソルテラ」ということだろう。ストロングハイブリッドとプラグインハイブリッドでトヨタのTHSが使えるとすれば、それはかなり心強いところだが、もともとが横置きレイアウトのTHS-IIと、縦置きレイアウトの水平対向エンジンとの組み合わせは至難の業。
エンコン内の低い位置にレイアウトする水平対向エンジンは、左右幅の限界(サイドメンバの幅よりも小さくする必要がある)がある。上方向にもインタークーラーや排気管といった様々な補器類があり、下方向にはいま以上下げられない、とレイアウト上でかなりの難題があるのだ。
ただ、スバルは北米で、トヨタのプラグインハイブリッドを搭載した「クロストレック ハイブリッド(2019~)」を登場させている。THS-IIを水平対向エンジンと共存させるため、THS-IIの向きを90度変えて組み合わせるという手法で乗り切ってきた。やってできないことはないのだが、窮屈なエンコンレイアウトは、この先もスバルを苦しめることになるはずだ。
前出の技術ミーティングで、スバルは、2023年にストロングハイブリッドを投入する、としている。クロストレック ハイブリッドと同様の手法でくるのか、もっと効率のいい方法で登場してくるか、スバルの技術力を見せつけてくれることを期待している。
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