ホンダの軽自動車のなかでは変化球的存在となるN-ONEが二代目モデルにフルモデルチェンジされてから約1年が経った。そして、2021年12月には日本カーオブザイヤーのK CARオブザイヤーを受賞した。というタイミングもあり、ここでは登場から1年が経った現行N-ONEの今を評価してみた。
文/永田恵一、写真/HONDA
【画像ギャラリー】ホンダの個性派軽自動車 N-ONEの3グレードを写真で見比べる!!(21枚)画像ギャラリー初代モデルからみるN-ONEとはどのようなモデルなのか
先代型初代N-ONEは、2011年登場の先代型初代N-BOXから軽自動車に本腰を入れ始めた、ホンダのNシリーズ第三弾として、2012年11月に登場。先代N-ONEはジャンルとしては、2013年に初代モデルが登場するN-WGNに近いハイトワゴンだが、プレミアムな部分も持つ、例えるならミニのような存在を目指して開発された。
具体的には、機能面はこの当時からレベルの高かったホンダの軽自動車として標準的なものながら、1960年代後半の日本の自動車普及期に大ヒットしたN360をモチーフとした可愛らしいスタイル、シンプルながら上質なインテリアなど、気分が明るくなる楽しい雰囲気が大きな魅力だった。特に当時珍しかったツートンカラーは登場から、しばらく長い納期となるほどの人気を集めた。
先代N-ONEは、2015年のマイナーチェンジで全高を1545mmに抑え、1550mmの立体駐車場も使えるよう配慮したローダウンや先代N-BOXに続くホンダアクセスが手掛けたコンプリートカーとなるModuloXを追加するなどの改良が行われた。
また、先代N-ONEではターボのFF車を使ったワンメイクレースとなるN-ONEオーナーズカップも行われ、多くの参加者を集めた。
現行N-ONEは2020年の東京オートサロンでプロトタイプが登場した。このときは、スタイルの変化が先代モデルの間違い探しレベルと極めて少なかったこともあり、インテリアを見るまで「初代モデルのマイナーチェンジ」と感じる人がほとんどなくらいだった。
進化した現行N-ONEと売れ行き
現行N-ONEは、2020年11月にプロトタイプほぼそのままで市販車が登場。現行N-ONEはスタイルからも分かるように完全なキープコンセプトながら、機能面は現行N-BOXから採用されたホンダの軽自動車としては最新のものとなった。
特に大幅に改良されたエンジンや先行車追従型のアダプィブクルーズコントロールや車線中央を維持しようとするLKASを持つなど、軽自動車としてはトップクラスの性能を持つ運転支援システム&自動ブレーキのパッケージとなるホンダセンシングの搭載などが目立った。
グレード体系はベーシックなオリジナル、上級のプレミアム、スポーティなRSの3つで、特にRSには先代モデルから追加が期待されていた6速MTも設定される。
現行N-ONEの販売計画台数は、ハイトワゴンN-WGNの存在や変化球的なモデルということもあり、2000台と軽自動車としては少ない部類だ。という想定もあり、発売1カ月後には計画の4倍となる約8000台を受注し、2021年7月までは販売も2000台を上回っていた。
しかし、2021年8月以降の販売は1000台を割ることもあるなど急降下しており、その原因は後述する価格の高さだろう。
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