シビックなど車両本体価格300万円台で買える新車の正義とは?

■果たして300万円以下カーに魅力はあるのか⁉

●トヨタハリアーS(2.0ガソリン/299万円)

FFの2Lガソリン車で299万円と魅力的な価格設定となる「ハリアーS」。それでもLEDヘッドライトや安全装備はしっかりと標準装備。見た目の派手さよりも実を取る考え方もありかもしれない
FFの2Lガソリン車で299万円と魅力的な価格設定となる「ハリアーS」。それでもLEDヘッドライトや安全装備はしっかりと標準装備。見た目の派手さよりも実を取る考え方もありかもしれない

 現代のマークII3兄弟的存在となるハリアーのベーシックグレードのSは、2Lガソリン車ならわずかながら300万円を切る。ハリアーSはエクステリアでは上級グレードに対し17インチとなるアルミホイールやヘッドライト(LEDというのは同じ)の違い、インテリアも若干質素だが、それも上級グレードと比べても大きなものではなく、ハリアーらしいゴージャスな雰囲気は充分味わえる。

 それだけに「あのハリアーが299万円」というハリアーのベーシックグレードの存在意義は大きい。

●ハイエースワゴンDX(287万5000円)&キャラバンワゴンDX(278万4100円)

「ハイエースワゴン DX」全幅1880㎜のワイド仕様を活かした広々とした室内が魅力。その分街中の取り回し性はライバルのキャラバンに劣る。トヨタセイフティセンスも標準装備で安全性も万全だ
「ハイエースワゴン DX」全幅1880㎜のワイド仕様を活かした広々とした室内が魅力。その分街中の取り回し性はライバルのキャラバンに劣る。トヨタセイフティセンスも標準装備で安全性も万全だ
「キャラバンワゴン DX」小型車枠で10人乗りを実現しているところが凄い。装備的にはハイエース同様、割り切った感はあるが、多人数の移送手段としては大いに「あり」ではないか
「キャラバンワゴン DX」小型車枠で10人乗りを実現しているところが凄い。装備的にはハイエース同様、割り切った感はあるが、多人数の移送手段としては大いに「あり」ではないか

 この2台はどちらも普通免許で乗れる最大の乗車定員となる10人乗りのワンBOXミニバンで、最大の違いはハイエースワゴンが1880mmというワイドボディ、キャラバンワゴンが5ナンバーサイズとなることによるキャビンの広さだ。どちらもこの価格で10人が乗れるクルマが買えるというのは大家族などには大きな魅力だ。

●トヨタGR86RC(279万円)

「GR86 RC」もともとカスタマイズやレース用車両のベースとして設定されいるため、無塗装パーツに鉄チンホイールと「素」もいいところだ。これぞ真のピュアスポーツ?
「GR86 RC」もともとカスタマイズやレース用車両のベースとして設定されいるため、無塗装パーツに鉄チンホイールと「素」もいいところだ。これぞ真のピュアスポーツ?
RCグレードの室内。オートエアコンやパワーウィンドウ、本革巻きステアリングも標準装備しており、純粋に走りやカスタマイズを楽しむベース車としてうってつけだ
RCグレードの室内。オートエアコンやパワーウィンドウ、本革巻きステアリングも標準装備しており、純粋に走りやカスタマイズを楽しむベース車としてうってつけだ

 GR86のベーシックグレードとなるRCはカスタマイズのベース車という性格が強い。しかし、200万円以下だった代わりに前後バンパーは無塗装なうえ、エアコンやオーディオが付けられないなど、「普通には乗れないクルマ」だった先代86前期型のRCとは異なり、タイヤ&ホイールが16インチのスチールとなる以外はフル装備となる普通のクルマである。それだけに購入後軽度のカスタマイズを考えているユーザーにも、価格の安さが嬉しいモデルだ。

●日産ノートオーラNISMO(286万9900円)

「ノートオーラNISMO」この過激なエクステリアデザインのe-POWER車も「素」であれば300万円を切る価格だ。ただ日産のもうひとつの推しであるプロパイロットを装着すると一気に350万円クラスとなる
「ノートオーラNISMO」この過激なエクステリアデザインのe-POWER車も「素」であれば300万円を切る価格だ。ただ日産のもうひとつの推しであるプロパイロットを装着すると一気に350万円クラスとなる

 ノートオーラNISMOは2モーターハイブリッドのe-POWERというのを考慮しても絶対的には安くない300万円近い価格であることがまず前提となる。それに加え、今からクルマを買うならぜひ欲しい運転支援システムのプロパイロットをオプション装着するとカーナビが含まれるのもあり、300万円を大幅に超えてリーズナブルというのが少々疑問なのは事実だ。

 しかし、コンパクトカーのスポーツモデルらしいピリリとした雰囲気や電動感の強い加速感といった魅力に加え、「日産ファンが欲しくなるモデルのなかでは、一般的に見た上限の価格」ということも加味してピックアップした。

 ●マツダCX-30 Xスマートエディション(288万7500円)

世界初の(ほぼ)自然着火式ガソリンエンジンを搭載した「CX-30」装備を厳選することで300万円を切るモデルが追加された。これでSKYACTIV-Xエンジンの敷居は大幅に低くなったかもしれない
世界初の(ほぼ)自然着火式ガソリンエンジンを搭載した「CX-30」装備を厳選することで300万円を切るモデルが追加された。これでSKYACTIV-Xエンジンの敷居は大幅に低くなったかもしれない

 CX-30は「内外装以外は全体的に平均的、革命的なSKYACTIV-Xエンジンも現時点では価格の高さのわりに得るものが少なく中途半端で、積極的には薦めにくいクルマ」というのが率直な印象だった。

 しかし、SKYACTIV-X搭載車に最近追加された特別仕様車のスマートエディションは若干装備内容を省いた代わり、価格は省かれた装備内容より大幅に安いというお買い得仕様だ。そのため、新しもの好きなら「この価格ならSKYACTIV-Xを試してみようか」と感じられる点が魅力だ。

●マツダCX-8 25S(299万4200円)

2.5Lエンジン、8人乗りモデルでほぼ300万円のお買い得モデルが存在する「CX-8」用途が異なるとはいえ上のハイエースやキャラバンと比べて質感は歴然で、大変魅力的なモデルだ
2.5Lエンジン、8人乗りモデルでほぼ300万円のお買い得モデルが存在する「CX-8」用途が異なるとはいえ上のハイエースやキャラバンと比べて質感は歴然で、大変魅力的なモデルだ

 2.5LガソリンNAを搭載するCX-8のベーシックグレードの魅力は「充分使える3列目シートを持つラージSUVが300万円以下」ということに尽きる。また、2.5LガソリンNAも過不足ない動力性能を備えているので、「走行距離が少ない(≒街乗りが多い)」という人にはディーゼルターボより向いた存在だ。

 ただ、CX-8で総合的に見てリーズナブルに感じるのはベーシックグレードに対し、10数万円の差額で運転支援システムが完備となる、特別仕様車のスマートエディションという点は頭に置いて欲しい。

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