名車ブルーバードがEVに変身! その名も「New bird」!! 旧車存続に新たな「道」

フィアットパンダをEV化! 旧車をEVにするにはいくつもの壁があった

コンバートEVを手掛けるオズモーターズによりEV化されたフィアットパンダ
コンバートEVを手掛けるオズモーターズによりEV化されたフィアットパンダ

 今回、EVへの変更を行った、キングホーンEVのジョージ・キングホーン氏が言っているように、古いクルマをEVに変換することで、ビンテージモデルを日常的に使用できること。そして運転もエンジン搭載時と同じように楽しく、運転時に有害な排出物を発生させないことが可能だ。

 そこで、実際に古いフィアットパンダをEV化して乗っているユーザーに話を聞いてみた。古いフィアットパンダをEVコンバートして乗っているのは、フリーライターの籠島康弘さん。自動車だけでなく、住宅なども執筆するオールラウンダーのライターだ。

 EVパンダは、神奈川県にあるオズコーポレーションで制作した。当初はアメリカ製のモーターを使う予定だったそうだが、ミッションはMTが条件だった。そこでパンダのMT車を探していると、このモーター会社が撤退。そこで、三菱i-MiEVのシステムをコンバートすることになった。リーフのシステムはサイズ的に入らなかったとのこと。

 しかし、このコンバート作業は困難を極めて、ベース車のパンダを見つけるのに半年。そして製作にさらに1年半ほどかかり、完成までに2年かかった。また、費用はベース車両が約54万円、改造費用は約240万円。合計で約294万円と現行型リーフの中古車よりも高くなってしまったのだ。

 実際に乗ってみると、航続距離の短い電気自動車は充電が頻繁に必要となり、遠出が面倒になるとのこと。またBMW i3に乗って確信したが、冬場は例え省エネのヒートポンプ式を備えても寒い。

 さらに冬場はリチウムイオンの動きが悪くなり、航続距離が短くなるのだ。ちなみに、EVパンダにはクーラー・ヒーターがないため、乗る季節は限られるという。

 そんなEVパンダだが、所有して良かった点を聞くと、パンダで充電をしていると物珍しさから声を掛けられること。そして、エンジン車と違い、オイルの温度管理などをすることなく、チョイ乗りが気兼ねなくできることを挙げてくれた。

 いっぽう苦労している点は、ロングドライブがおっくうになること。急速充電で30分つぶすのは、コーヒー+タバコ1本じゃ時間が余るし、食事すると時間が足りない。意外とやることがない。それを何度も繰り返すのは苦痛。到着時間も読めないそうだ。

 最後に旧車をEV化することについては、街乗り中心ならあり。ただし家に200Vの充電ポートは備えた方が便利だという。そして、まずはエンジン車で乗って、動力系が壊れてどうしようもなくなったけど手放したくないのであれば、電気自動車にするのはありかもと話してくれた。

 日産のパイクカー、Be-1やパオ、フィガロなどは現在でも非常に人気が高いモデル。しかし、エンジンやミッションなどは年式を考えると、コンディションは厳しめだ。こういったクルマを籠島さんのようにEVコンバートして、長く乗り続けるというのは、レストアとはひと味異なる旧車の楽しみ方となるかもしれない。

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