コロナ禍でも販売台数は急回復!! サポカー補助金がもたらした効果

コロナ禍でも販売台数は急回復!! サポカー補助金がもたらした効果

 高齢者による事故が問題になる中、衝突軽減ブレーキなど先進安全機能を搭載した新車や後付け装置の促進を狙ったサポカー補助金が交付されていた。2021年11月の申請をもって打ち切られたが、コロナ禍に苦しむディーラーにとっては追い風であったという。

 65歳以上の購入者が対象だったこの補助金の効果を分析する。

文/小林敦志、写真/Toyota、AdobeStock(moonrise@AdobeStock)

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■富裕層の高齢者はコロナ禍も吹きとばす!?

多額の年金を受給し資産運用もおこなっている富裕高齢層はコロナ禍でも関係なく新車が買える余裕がある。補助金がつけば購買意欲はさらに上がる(standret@AdobeStock)
多額の年金を受給し資産運用もおこなっている富裕高齢層はコロナ禍でも関係なく新車が買える余裕がある。補助金がつけば購買意欲はさらに上がる(standret@AdobeStock)

 新型コロナウイルス感染拡大第一波が襲来し、日本全国で1回目の緊急事態宣言が発出された、2020年4月と5月の国内新車販売台数は誰もが激減すると予測し、その予測どおりの結果となった。しかし、緊急事態宣言が解除された2020年6月からは、誰もが予測していなかったレベルで新車販売は急回復を見せた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、航空会社や旅行代理店、宿泊業界など、大打撃を受ける業界があり、生活に困窮する人が増えるなかでも、それほど目立った悪影響を受けない、もしくはコロナ禍特需に沸く業界すらあった。

 そのなか国内外の移動や、外食など行動自粛が要請され、消費支出の減った家庭のなかには貯蓄が増えていくというところも目立った。

 また、富裕層もお金の使い道を失い、それらがコロナ禍でも可能な数少ない“贅沢な買い物”として新車販売が注目され、コロナ禍でも新車販売が活況を呈するようになったとも分析することができる。しかし、そのような需要を影ながら支えた“サポカー補助金”の存在も忘れてはいけない。

  サポカー補助金は、2021年度(令和3年度)中に満65歳以上となる人を対象とした補助金制度のことであり、「対歩行者衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置を搭載するクルマ(サポカー)」、「後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置の購入等を支援するもの」の2種類が対象となっていた。

 サポカー購入に対する補助では、「(A)対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」「(B)ペダル踏み間違い急発進抑制装置が対象となり、AとB両方を装着している車両を購入すると、登録車で10万円、軽自動車で7万円、中古車で4万円の購入補助を受けることができた。

 1度目の緊急事態が全国に発出されていた当時(2020年4月~5月)に、ある地域の新車ディーラーの様子を見に行った。

 その際、現場のセールスマンに、「コロナ禍となり、どのような新車販売活動を展開するつもりか」と聞くと、「新型コロナウイルスが感染拡大しても、その地位や収入に大きな変化のない公務員と、年金を受け取っている年配の方をメインターゲットとして攻めたい」と語ってくれた。

 たとえコロナ禍でもほぼ影響を受けない公務員はわかるが、“高齢者”がなぜ出てきたのかを再び聞くと、

 「コロナ禍直前にサポカー補助金の申請受け付けがスタートしています。高齢なみなさんのなかには、かつては公務員であったり、大手企業に勤務していたことで受け取る年金額自体も多額な方がいらっしゃいます。

 年金支給額に関してはコロナ禍であっても変動することはないですよね。さらにそのような富裕高齢層のみなさんは、アパート経営や証券投資など資産運用もしっかりなさっております。

 つまり、コロナ禍に関係なく新車を買っていただける数少ない“お得意様”なのです」と説明してくれた。そしてさらに「サポカー補助金制度もあるので、65歳以上の方へはコロナ禍でも新車が売りやすくなっております」と付け加えてくれた。

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