年初に千葉県松戸市の劇団からトラックが盗難された。目立つグラフィックが入っていたこともあって、すぐに足取りが特定され、犯人は逮捕された。
外国人の仕業だったことから、「やっぱり」と思った方も少なくないだろう。海外では日本のトラックが人気で、密輸して販売すれば儲けになることから、ハイエースなどとともに盗難されているケースが増えている。
第2世代の日産GT-Rなど、旧車やチューニングカーも盗難されて海外でバラ売りされていた、なんて事件もあった。海外に渡ってしまえば、盗品でも堂々と販売されていることが多く、しかもそれは取り返すことはほぼ不可能だ。
しかも、外国人の仕業だと決めることなんてできない。クルマの盗難件数自体は減少傾向にあるものの、高級車特にレクサスやランクルなどは日本人が窃盗しているケースが多い。
山林から勝手に木を切り出して運んでしまう、盗伐が話題になったことも記憶に新しい。日本人のなかにも、モラルや法令遵守の意識の低い人は増えてしまっているのである。
そして農業用トラクタも近年、盗難の被害が多いモノのひとつとなっている。10年前ほどから話題になることはあったが、特に一昨年あたりから盗難件数が増加しているのだ。今回は農家にとって死活問題ともなり得る、農業用トラクタなどの盗難事情とその背景について迫っていく。
文/高根英幸
写真/AdobeStock(トップ画像=Yoshinori Okada@AdobeStock)、農林水産省、埼玉県警
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