■原点回帰!! 軽自動車の価格が注目される!?
いま、新型アルトのような本来の“価格訴求”型の軽自動車に注目すべきではないかと考える。
例えば、スズキで売れ筋の軽自動車“スペーシア”のカスタム仕様の“ハイブリッド XS ターボ 2WD”のメーカー希望小売価格は188万3200円。アルトAの約2倍である。
アルトの量販グレードとされる、Lのアップグレードパッケージ装着車は113万800円となり、これにカーナビなど必要最低限のオプションを装着した支払総額は約150万円。しかし、売れ筋のハイト系カスタムモデルでは、支払総額で250万円以上になるのも珍しくない。
つまり、同じ軽自動車でも“格差”が広がっているのである。もちろん、年齢、性別など軽自動車ユーザーの多様化が進んでいることが反映されているのだが、軽自動車とひとくくりにすると、ハイト系カスタムモデルばかりが目立ち、「軽自動車もぜいたく品になってきた」と思われがちになってしまう。
そのようななかで、改めて新型アルトをみると、“軽自動車のなかでもカテゴリー分けすべきだ”というようなメッセージがあるようにも見えてくる。
例えば車両価格で120万円ぐらいを目安として軽自動車を二分して、120万円以下の軽自動車については、より税制面や保険料などで優遇してみるというのはいかがだろうか。
さらに電動ユニット(エネチャージ的なものや、マイルドハイブリッド、ハイブリッドなど)を搭載していれば優遇が広がるというようにしてもいいだろう。
それほど所得に余裕がなくとも、生活のためにクルマが必要な人や、複数保有しなければならないという人もいるはず。
660ccという小排気量エンジンを搭載しているにも関わらず、オートエアコンや自動変速機が当たり前のように装着されるのは日本の自動車産業でしかできない“技”である。ただ、豪華絢爛からベーシックまで、ニーズの広がりを受けて軽自動車も肥大化してしまったという印象はぬぐえないだろう。
あまりに豪華路線ばかりが目立てば、政府は新型コロナウイルス対策で世界的にも類を見ない財政出動をしているので、感染が収束すれば増税という話になる、そのなかに軽自動車も巻き込まれかねない。
つまり、軽自動車の維持費負担の増大や、逆に登録車で排気量1000cc未満車の税負担などを軽減し、軽自動車も同条件(つまり維持費負担増大)にすべきといった論議が熱を帯びてしまう不安がさらにつきまとってくることになるだろう。
アルトが初代へ原点回帰するだけではなく、軽自動車全体の中で“原点回帰カテゴリー”を創設してみるのはいかがだろうか。
【画像ギャラリー】ベーシックグレードで100万円切り!! 9代目となった新型スズキ アルトと歴代アルトを見る!!(20枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方