■日産
●ジュークR(2012年欧州・5台限定)
日本では絶版となったが、奇抜なデザインで好評を博したジュークは、スペシャルティなコンパクトSUVということもあり、1.6Lターボのようなスポーツモデルも似合う。
その初代ジュークに現行GT-Rの3.8L、V6ツインターボエンジン、デファレンシャルと一体化されたトランスミッションをリアに置く独立型トランスアクスル4WDというパワートレーンを移植した破天荒なモデルがジュークRである。
ジュークRは車体の強化はもちろん、オーバーフェンダーが付き、車内もリアシートこそあるものの、ロールケージに加えフロントシートはフルバケット+フルハーネスとなるなど、レーシングカーのようだった。
ジュークRは初代がベースということもあり現行GT-Rほどは速くなく、GT-Rのような高い完成度もなかったようだが、夢のある愛すべき存在なのは事実だった。
●300ZXターボ Tバールーフ 50thアニバーサリー(1983年北米・5000台限定)
フェアレディZは、もともと「乗用車ベースとなる、いろいろな意味で手軽かつ実用的なスポーツカー」というコンセプトが特にアメリカで絶大に支持され、日本車では珍しい「世界に影響を与えた一台」だ。
日産の創立50周年記念車を3代目300ZXターボTバールーフのアメリカ仕様に設定。50thアニバーサリーは2シーターの3Lターボをベースに、エクステリアではオーバーフェンダーなど、インテリアには50周年オーナメント入りシートなどを装着した特別なモデルとして心に刻まれている。
●240RS(1983年海外限定・200台+α限定)
3代目シルビアをベースにした240RSは、1980年代中盤までのWRCのグループB規定で開発されたホモロゲーション取得モデル。
FRだった240RSのFJ24エンジンは当時のスカイラインやシルビアとはほとんど共通部分がない2.4L NAで、240psを絞り出した。
また、240RSはキャブレター仕様で、日本の排ガス規制を想定していなかった点も日本で正式に販売されなかった理由のひとつで、グループB規定が短命だったことも240RSには不運だった。
■三菱
●ランサーエボリューションX FQ-440 MR(2014年イギリス・40台限定)
インプレッサ時代を含むWRX STIとランエボは、海外にはこの手のモデルがほとんどないだけに、ヨーロッパでも人気車だった。という背景もあり、ランエボのイギリス仕様には3世代目のVIIIと最後4世代目のXをベースに400馬力にパワーアップしたFQ-400MRが設定されたこともあった。
そのFQ-400MRを発展させ、ランエボXの最終最強進化版的存在としたのがFQ-440MRだ。
三菱自動車のイギリス進出40周年記念車でもあったFQ-440はHKSのタービン、マフラーなどの吸排気系の変更、専用ECUへの変更といった、チューニング業界でいうタービン交換で武装。
結果、スペックは日本仕様の300ps/43.0kgmから、同じ2L、直4ターボのままで440ps/57.0kgmにパワーアップされた。もちろん、ボディ、足回りなど車体の強化も抜かりなく、800万円してもいいから日本でもぜひ欲しいモデルだった。
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