■日産
●今後5年間で約2兆円投資(電動車全体)
●2030年度までに15車種のEVを投入
●全固体電池を2028年度に市場投入
2030年度までに15車種のEVを含む23車種の新型電動車を投入するという長期ビジョンを発表した日産。これにより同時期までにグローバルでの電動車の販売比率を50%以上にするとしている。
また、EVの実用性を飛躍的に向上させる全固体電池を2028年度に市場投入すると発表しているのもポイント。この全固体電池を使ったコンセプトカーも3車種公開している。
日産が発表した「日産アンビション2030」は、電動化に向け今後5年間で約2兆円を投資し、2030年度までに15車種のEVを市場に投入するという内容。
あわせて新しいコンセプトカーを4車種披露したが、初代リーフから継続的にEVに注力してきた日産だけにそれほど目新しいものはなく、中期経営計画の発表という印象が強い。
残念だったのは3車のコンセプトカーがCGだったことで、まさに絵に描いたナントカ。大半はモックとはいえ実車を16台も並べたトヨタの物量作戦がいかに凄まじかったかを逆説的に証明している。
巨大な物量を誇る相手に、戦力を逐次投入していたのでは絶対勝てません。ホンダも日産も、EV戦略の練り直しが必須なんじゃないかなぁ?
■ホンダ
●今後6年間で5兆円投資(EV以外も含めて)
●2020年代後半に全固体電池市場投入を目指す
●2040年にEV、FCV専門メーカーになる
2040年までに内燃機関の販売をやめ、EVとFCVのみにすると宣言しているホンダ。
今年、中国でホンダ初のEVブランドとなる「e:Nシリーズ」を立ち上げ、その後中国を含む先進国でのEV、FCVの販売比率を2030年に40%、2035年に80%、そして、2040年に100%という計画だ。また、2024年に日本で軽EVを発売し、2020年代後半に全固体電池の投入を目指している。
ホンダは2021年10月13日、日産は11月29日にそれぞれ重要な電動化戦略を発表したが、トヨタの発表を聞いた後ではどうしても印象が薄れる。
まずはホンダの発表だが、タイトルが「中国電動化戦略発表会」とあるように、中国向け新型車は2030年以降すべてハイブリッドとEVにするというのがメイン。あわせて新しいEV専用ブランド「e:N(イーエヌ)シリーズ」を立ち上げ、5年間で10車種を新開発するという。
この発表会ではe:Nシリーズ第一弾として、東風ホンダ向けの「e:NS1」と広汽ホンダ向けの「e:NP1」がデビューしたのだが、現行ヴェゼルをベースにEV化しただけだったコトに逆に驚いた。
現在の中国EV市場は、テスラを中心に蔚来(ニオ)や小鵬(シャオペン)などの新興ベンチャー、そして低価格の宏光ミニなどがしのぎを削る激戦区。そこにヴェゼルベースのEVではねぇ……。
この発表会ではe:NシリーズのコンセプトモデルとしてSUV、GT、クーペの3車も発表されたが、中国EV市場をリードするにはこのコンセプトモデルを来年発売するくらいの速度感が必要だ。
4月の三部社長就任会見で衝撃の内燃機関撤退を発表しただけに、EVで世間をアッと言わせなければアブハチ取らず。
そういう意味で、ホンダのEV戦略発表はあまりに中途半端な内容だったと言わざるを得ない。
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