■押し出しの強いヴォクシーは好みが分かれる
かなり押し出しの強いヴォクシーの顔つきであるが、標準装備のヘッドランプではオプションのヘッドランプに比べると、かなりおとなしくなってしまうので、是非装着したいオプションであるが、上級グレードしか選べないので、新型ヴォクシーは事実上のモノ(単一)グレードではないかともいわれている。
オプション設定されていないS-Gグレードをベースに、このオプションとなるヘッドランプを特別装備した特別仕様車が将来的に用意されるのかもしれない。
しかし、押し出しイメージが強すぎるヴォクシーは、アルファードとヴェルファイアのようないまの現状(ヴェルファイアはアルファードと比較してほとんど売れていない)になっていくのではないかとし、「将来的にノア一本化へ進む動きの一歩ではないか」との声もある。
セールスマンBの店舗ではノアの方が売れ行きが良いようだが、その理由として「ノアは標準仕様もありますので、ヴォクシーに比べると選択肢が多いこともあるようです」と説明したあと興味深い話をはじめた。
「ヴォクシーの顔つきが少々行き過ぎに感じるお客様も目立ちますね。旦那様がお気に入りでも奥様が拒否反応を示すといったケースもありました」とのことである。
■ボクシースタイルで原点回帰を目指したステップワゴン
ノア&ヴォクシーのライバルである、ホンダ ステップワゴンは2022年1月7日に新型のジャパンプレミアを行った。標準仕様ともいえるAIRと、エアロ系となるスパーダが用意されているが、ノア&ヴォクシーとの真っ向勝負を避けるかのようなシンプルなボクシースタイルを両タイプで採用している。
ホンダディーラーで、「メーカーからは原点回帰といった話も聞いております」と聞くと、確かに初代のシンプルなボクシースタイルを継承しているような印象を受ける。セールスマンはさらに「長く乗っていても飽きのこないデザインとなっております」とも説明してくれた。
新型ステップワゴンの発売は、メーカーウエブサイトなどでは2022年春となっているが、すでにスケジュールが延びる可能性が出てきているようで、話を聞いたセールスマンは2022年5月ごろになるのではないかと話してくれた。
気になる納期は「ざっくり6カ月は最低待ってもらうことになりそうだ」とのこと。新型ステップワゴンの予約受注は2月上旬から始まっているので、早めに予約して納車が比較的早めであっても、予約から4~5カ月は待つことになりそうである。
■短納期というアドバンテージを持つセレナ
ノア&ヴォクシー、そしてステップワゴンのライバルとなるのが日産セレナ。セレナは2022年内といわれているが、モデルチェンジが比較的近い末期モデルとなっている。
日産はそもそも他メーカーのように極端な納期遅延となっているモデルもあまりなく、人気車でも売れ筋を外さなければ、納車待ちにストレスを感じることは少ないといっていい状況となっている。
セレナは2月上旬現在で仮に契約し、発注車両が受注生産車となり、受注してから工場での生産開始となっても、売れ筋仕様ならば3月中には工場出荷されるというので、現状では驚くほど納期は短くなっている。
ハイウェイスターのパールホワイトといった、“超売れ筋”ではディーラー在庫や見込み発注車があるようで、さらに納期は短縮されるようである。
納期の短さと、末期モデルでもあるので値引きの拡大も期待できるので、“漁夫の利”というのが正しい表現なのかは微妙だが、ノア&ヴォクシーとステップワゴンが新型で注目されるなか、セレナの販売が今後好調に推移していく可能性が十分高い。
そのセレナだが、2021年11月に“XVエアロ”という特別仕様車を発売している。標準仕様のXVをベースに専用フロントバンパーやリアエアロバンパー、LEDリアコンビネーションランプを採用し、“標準車以上、ハイウェイスター以下”というキャラクターがウリとなっている。
「ハイウェイスターの顔つきはギラギラ感が目立つが、標準仕様の顔はおとなしすぎるといった話が販売現場で目立ったようです」とは事情通。
コンセプトが近く、いまどきではめずらし“ガチンコ”状態でライバルとなり販売競争を展開してきた、ノア&ヴォクシー、ステップワゴン、セレナ。
いわゆる“エアロシリーズ”をそれぞれ拡充して、それが販売のメインになってきたのだが、最近のギラギラ感の演出アップについていけないユーザーが目立ってきたことが、新型ステップワゴンやセレナのXVエアロの存在から受け取ることができる。
前述したように販売現場ではすでに新型ヴォクシーの顔つきを行き過ぎと感じ、ノアを選ぶお客さんが目立ってきている。
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