■強烈なインパクトを放ったスペシャルティなSUV「いすゞ ビークロス」
1993年秋の東京モーターショーのいすゞブースに展示され、大胆なフォルムがSUVマニアを刺激したのがコンセプトカー「ヴィークロス」だ。
パネルにメタルとカーボンファイバーを多用するなど、素材面においても画期的だった。これはショーカーだな、と思っていたが、1997年春に「ビークロス」の表記に変え、市販に移されている。ほとんどデザインを変えることなく量産化されたのは驚きだ。クルマ好きでなくても、このデザインにはシビレた。
プラットフォームはビッグホーンの2ドアショートボディのものを使っている。その上にキュートなデザインの2ドアボディを被せた。ただし、インテリアはビッグホーンに準じた平凡なデザインだ。
もう1つビックリしたのは、当時、まだ珍しかったバックアイカメラを装備し、モニターで後方の安全を確認できたことである。
エンジンはビッグホーンから譲り受けたオールアルミ製の6VD1型3.2L V型6気筒DOHCだ。最高出力も215ps/5600rpmを発生する。トランスミッションは電子制御4速ATだけの設定だ。
SUVのスペシャルティカーと言えるビークロスは驚きの連続だった。翔んだデザインや上質なV6ガソリンエンジンだけの設定としたことに加え、20色のボディカラーを用意している。これも日本車としては異例だ。
日本での販売は2年ほどだったから、販売台数は多くない。だが、強烈なインパクトを放ち、記憶に残るSUVになった。
【画像ギャラリー】記録より記憶に残る名車の数々……『全力の空振り』で鮮烈な印象を残したクルマたち!!(17枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方