前席乗員を守ることにもつながる
また、子供を子供用シートに座らせることは、その子供のみならず、他の乗員を守ることにもつながります。JAFは、ダミー人形を用いた衝突実験(55km/hフルラップ前面衝突試験)にて、以下のような損傷の可能性を報告しています。
・シートベルトを着用していない運転席側後席ダミーは、前方向へと投げ出され、運転席のヘッドレストに頭を打ち付ける
・さらにシートごと、運転席ダミーを押しつぶし、ハンドルとシートの間に運転席ダミーが挟まった
・運転席側後席ダミーの頭部は、ヘッドレストを介して運転席ダミーの後頭部に衝突。HIC(頭部障害基準値。1000を越えると頭部に重大な損傷が発生する可能性がある)は2192まで上昇した
・シートごと押しつぶされた運転席ダミーのHICも1171と非常に高くなった
スチール製の硬いフレームでできている運転席シートがゆがむほど、強烈な衝突であることが分かります。後席シートでも、シートベルトを着用していたダミーは、上体をしっかりと拘束されたことで、前方へと投げ出されることはありませんでしたが、これは大人の体形の方が適切にシートベルトを装着した場合であり、子供(身長140cm未満)が大人用シートベルトをかけても、効果を再現できる見込みがないどころか、前述したように、むしろ内蔵損傷などのリスクがあることが検証されています。子供用シートへ適切に座らせることは、子供の命を守ることに加え、前席に座る乗員の命も守ることになるのです。
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子供はもちろんのこと、ほかの乗員を守る意味でも大切な、子供用シートの正しい装着。子供が嫌がることはつらいことではありますが、だからといって正しく装着をしないことは、ドライバーとしても保護者としても失格な行為。しっかりと装着させ、安心安全で楽しいカーライフを送りましょう。
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