バンコク国際モーターショーに登場したアジアの最新電動車!!


■「中国車だから」はBEVではポジティブ要素

市販車ベースで価格までを提示して具体的にアピールする中国メーカーのMG

 このあたり日本だと「中国車だからねえ」とネガティブに“安かろう、悪かろう”的なイメージを持つひとが多いだろうが、逆にBEVでは「中国車だからねえ」がポジティブに働くのである。

 本国でたくさんのBEVをラインナップし、さらにZSもMPもけっして最新型というわけではなく、むしろ古いクルマとなる。つまり量産効果が価格に反映されているのである。

 また地元事情通によると、タイの人は比較的短期間で次の新車へ乗り換えるとのこと。また日本ほど維持費がかからないので複数保有も珍しくないので、「試しに」とばかりに中国系BEVを購入するケースも多いようだ。

 タイでの価格設定はそのような“お試し乗り”を当て込んだものではないかとも考える。とにかく一度使ってもらう、そして囲い込むのが目的かもしれない。

 日本では大手マスコミを中心に中国車といえば、遠い昔のコピー車に溢れていたころを引きずっているが、すでにデザインや見た目質感では日本車を越えているケースも珍しくはない。

 現地でMGのステアリングを握ったことのある日本人に聞くと、「故障はもちろんないし、不具合などもない」とか、「日本車よりもトレンドを敏感に採り入れている」など好印象な話を聞くことができた。

 現地在住の事情通は、「タイの現地で駐在しているメーカー(日系)のひとが、導入モデルの相談をしても日本の本社は聞く耳持たずで、『与えられたなかで売り上げをアップしろ』といってくるそうです」と話す。聞いていると、まるで80年前の太平洋戦争を思わせる話である(それだけ世の中は結局変わっていない?)。

 日本で様子を見ていると、どうも電動車、とくにBEVを内燃機関車の延長とでしか捉えていない印象を強く受ける。ただ、諸外国をみるとその辺りはリセットして取り組んでいるように見える。

 事実、内燃機関車ではステイタスの高い日系ブランドやVW(フォルクスワーゲン)あたりはリセットしきれていない印象をうけ、BEVを苦手としているように見える。

 GWMのプレスカンファレンスでは、中国の(トルツメ)ヘッドクォーターにいる東南アジア担当重役が会場にきてスピーチした。ご存じの通り、いま中国は再パンデミックの最中でおいそれとは海外に出られる状況ではない。しかし、あえてタイにきている(トルツメ)。それだけでも何か気合というものを感じてしまう。

 また、これは地元事情通と共通認識だったのだが、一般公開日にトヨタもGWMも多くの来場者でにぎわっていたのだが、明らかに訪れる“客層”が異なって見えた。トヨタは日本と様子が似ていて、長い間トヨタ車を乗り継いでいる年配の人や、家族でトヨタ車に乗っているという感じの人が多かった。

 一方でGWMはグッドキャットのおかげもあるのか、若い女性が多いことにまず驚いた。さらには、クルマ好きな人や最先端製品に敏感な感度の高い人がボンネットを開けパワートレーンを熱心に見ていた。大げさに言えば“時代の転換点”を見た思いがした。

 たとえ中国系メーカーがトヨタをはじめ、日系ブランドをロックオンしても、長い間にタイで構築された販売ネットワークなどもあるので、すぐにどうなるということはないし、中国系もそこはわかっている様子。

 逆にそこがわかっていて中長期的視野であちこちエサをまいているような中国系の動きがしたたかで、奥が深いものに見えて怖くなってしまった。中国系は明らかにゲームチェンジを狙っているのは間違いない。

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