最近のミニバンは後席にオットマンが装備されるモデルが増えつつある。この前までアルファードやエルグランドと高級モデルの専売特許であったが、新型ノア/ヴォクシー。さらには新型ステップワゴンにまで装備される時代に。でもこの機能って本当に必要なのか!?
文:青山尚暉/写真:トヨタ・ホンダ
【画像ギャラリー】新型ノア/ヴォクシーの2列目シートに注目! アルファードをも脅かす超豪華仕様だ(10枚)画像ギャラリー高級ミニバンの専売特許だったオットマンがMクラスミニバンにも波及
リビングルームに置くカウチソファが人気だ。わが家も導入しているが、ソファに足を落として座るより、足を伸ばせるため、はるかに楽。リラックスできる。それと似たような着座姿勢、リラックス感が得られるのが、ミニバンの2列目キャプテンシートに用意されるオットマンだ。カウチソファとまではいかないものの、リクライニング機構と合わせ、シートから足を落とすことなく、足を伸ばし、支えられた状態での着座姿勢、リラックス感が得られる。
これまでは国産ハイエンドミニバンのトヨタ アルファード&ヴェルファイア、日産 エルグランドの上級グレード、つまりファミリーユース以上にVIP、芸能人の送迎車として使われるケースも多いモデルなどにしか装備されていなかったのだ。ところが、2022年1月に登場したトヨタのMクラスボックス型ミニバンであるトヨタ 新型ノア&ヴォクシー、そして5月にも発売される同クラスのホンダ 新型ステップワゴンにも初採用されているのだから、驚きだ。
新型ノア/ヴォクシーはセットオプションで装着可能! オットマン単体では装備不可
もっとも、新型ノア&ヴォクシーの場合、オットマンはノアのZ、S-Z、ヴォクシーのS-Zの2WD車のみの設定だ。シートの追加装備としてはシートヒーターを含むメーカーパッケージオプション「快適便利パッケージHigh」の一部で、価格はハンズフリーデュアルパワースライドドア、パワーバックドア、パワーバックドアスイッチ(車体側面)、ステアリングヒーター、ナノイーXとのセットとなり、オプション価格はハイブリッドの2WDで14万8500円、ガソリン2WDで15万1800円となる(税込み)。その内容、機能を見れば、納得できる価格と言えるのだが、オットマン単体で選ぶことはできない (泣)。
ドライバー的にはオットマンは不要……所要期間と後席の使用頻度で決めるべし
では、2列目席の豪華な居住感覚、リラックス度を高めてくれるオットマンは、本当に多くのユーザーに必要なのか? その答えとして、ドライバー目線では、当然、2列目席にはまず座らない。ほかの人のための装備ということになる。所有期間、ほとんど2列目席に座らず、オットマンの有難みとは無縁、ということもありうる。
だから同乗者が車内でVIP並みに快適に着座していられることに喜びを感じ、また、「へぇ~、このクルマのシート、オットマンが付いているんだ、すごいね」と言ってくれることに、これまた喜びを感じるならば、自身が座らなくてもアリかも知れない。また、親が偉い人!?で、後席に最大級の配慮の元、乗っていただくようなケースなら、これもアリだ。言い方を変えれば、オットマンを出して、そこに座って違和感のない、似合う人ならOKということでもある。
よって、オトーサンとオカーサンが1列目席に座り、子どもが2列目席キャプテンシートでオットマンを出し、ふんぞりかえってスマホをいじっているようなシーンはどうなのか。その子供がこの先、どのように成長するのか、勝手に心配してしまう。
ちなみに筆者は12年間、業界の「ミニバンマイスター」としてミニバンを所有していたが、2列目席に座ったのは、足を骨折して、家族に病院に送り迎えしてもらった時を含め、特別な場合の数回の記憶しかない・・・。家庭の財布を握る奥様だって、基本的には助手席が指定席であることも、忘れてはならない。