プラス15万円の贅沢!! 新型ノア/ヴォクシーにオットマンをつけるべきか問題

ドライバー的にはオットマンは不要……所要期間と後席の使用頻度で決めるべし

 では、2列目席の豪華な居住感覚、リラックス度を高めてくれるオットマンは、本当に多くのユーザーに必要なのか? その答えとして、ドライバー目線では、当然、2列目席にはまず座らない。ほかの人のための装備ということになる。所有期間、ほとんど2列目席に座らず、オットマンの有難みとは無縁、ということもありうる。

 だから同乗者が車内でVIP並みに快適に着座していられることに喜びを感じ、また、「へぇ~、このクルマのシート、オットマンが付いているんだ、すごいね」と言ってくれることに、これまた喜びを感じるならば、自身が座らなくてもアリかも知れない。また、親が偉い人!?で、後席に最大級の配慮の元、乗っていただくようなケースなら、これもアリだ。言い方を変えれば、オットマンを出して、そこに座って違和感のない、似合う人ならOKということでもある。

 よって、オトーサンとオカーサンが1列目席に座り、子どもが2列目席キャプテンシートでオットマンを出し、ふんぞりかえってスマホをいじっているようなシーンはどうなのか。その子供がこの先、どのように成長するのか、勝手に心配してしまう。

 ちなみに筆者は12年間、業界の「ミニバンマイスター」としてミニバンを所有していたが、2列目席に座ったのは、足を骨折して、家族に病院に送り迎えしてもらった時を含め、特別な場合の数回の記憶しかない・・・。家庭の財布を握る奥様だって、基本的には助手席が指定席であることも、忘れてはならない。

【ネガポイント1】操作には慣れが必須! 誤操作が多い設計

他のモデルにもいえることだが、オットマンを装備するシートはレバーが複数存在する。慣れてしまえば問題ないが、いざというときに瞬時に正しい操作ができない可能性も
他のモデルにもいえることだが、オットマンを装備するシートはレバーが複数存在する。慣れてしまえば問題ないが、いざというときに瞬時に正しい操作ができない可能性も

 そしてオットマンには、いくつかの落とし穴がある。一つ目は誤操作だ。新型ノア&ヴォクシーの例では、シートサイドに3つのレバー(シートスライド、リクライニング、オットマン用)があり、慣れが必要だ。そして初めて操作する人は、けっこういじる手動レバーを間違え、シートスライドさせるつもりがオットマンが出てしまった、リクライニングさせるつもりが、オットマンがビョーンと出た……なんこともある。筆者も新型ノア&ヴォクシーの初公開時、同じように何度か間違えたほどだ。

 所有して、毎日のようにオットマンを出し入れしていればそんな誤操作はしないはずだが、果たして、毎日のようにオットマンを出し入れするのか?である。※テープライターで、どのレバーがなんの操作用なのかを記して貼っておけば親切だが・・・。

【ネガポイント2】操作&乗り降りが面倒……身体も不安定に

 さらに、オットマンを出した状態だと、シートに座るのも、シートから立ち上がるのも面倒になる。もちろん、オットマンを格納すればいいのだが、そのための操作がひと手間、必要になってくる。

 それに加えオットマンを最大限に出したとしても、前後席間距離の制約もあって、オットマンは完全に水平にはならないから、足を水平に伸ばせるカウチソファ的な姿勢、リラックス度までは得られないことになる。とはいえ、それでも十分に足元は広い。身長172cmの筆者の場合、新型ノア&ヴォクシーだと、超ストレート超ロングスライド時で最大600mmの膝周りスペースがあるのだ。むしろ、足がフロアについていたほうが、特にカーブ、山道、急ブレーキ時などでは、足のふんばりによって、体が安定するとも言える。

 また、これは乗員の体型にもよるのだが、オットマンが格納されていることで、シート下の空間がなくなり、いわゆる着座時の足引き性が悪化することもある。結果、立ち上がりにくくなったりする。

 その理由を分かりやすく説明すると、今、デスクチェアやダイニングの椅子に腰かけているとする。立ち上がるためには、やや足を手前に引かないと、立ち上がりにくいはずだ。足を前に投げ出していれば、立ち上がりにくくなる。それと同じように、クルマのシートも、特に足腰の弱った高齢者ともなれば、降車、立ち上がり性という点では、膝の位置に対して、足を手前側に引けることが、その容易性において重要になってくる。

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