最近、Z世代(ジェネレーションZ)という言葉が聞かれる。1990年代の中盤から、2010年代に生まれた世代を示す。2022年の年齢では、27歳以下の若年層がZ世代に該当する。
Z世代は、パソコン、スマートフォン、インターネット、SNSなどに親しんで育った。これらのツールを使いこなし、情報を得たり商品を購入するときも、インターネットを活用する。インターネットを使ってアクセスしにくい商品は、売れ行きが伸び悩む心配もあり、クルマ業界もネットを使った商談や販売を模索している。
ただしZ世代をひと括りにはできない。同じ世代でも、さまざまな性格の人がいるのは当然で、あくまでも大ざっぱな傾向と捉えるべきだ。高齢者にもパソコンやインターネットをフルに活用する人はいるから、世代によって個人の性格まで過度に推し量ることは控えたい。
その意味ではZ世代のクルマのニーズもさまざまだが、大ざっぱな意味で「おすすめの車種」を挙げることはできる。そこを考えたい。
文/渡辺陽一郎、写真/TOYOTA、SUZUKI、DAIHATSU、HONDA
【画像ギャラリー】Z世代にオススメしたい5台のクルマをギャラリーでチェック!(33枚)画像ギャラリーZ世代&初心者にオススメしたいクルマの条件とは
Z世代は若年層だから、運転免許を取得して間もないユーザーも少なくない。運転免許保有者の約半数は20歳までに取得しているが、20~25歳に取得するドライバーも25%前後はいる。そうなるとZ世代には初心者が多い。
そこでZ世代に推奨できるクルマの条件として、まずは運転のしやすさがある。ボディは比較的小さくて小回りが利き、視界も優れていることが大切だ。エンジンの性格や動力性能、操舵感などにクセがなく、日常的な運転を通じて、運転技量が上達するような車種が好ましい。
そして若年層は一般的に所得が少ないから、価格の上限は200万円前後で、維持費を抑えられるクルマを選びたい。それは先に挙げたボディが比較的コンパクトな車種という条件とも合致する。
このほか若年層が複数の車両を所有するのは難しいから、ボディがコンパクトでも、いろいろな用途に使える実用的なクルマが適する。そのような車種は選択肢も多い。安全装備の衝突被害軽減ブレーキ、サイド&カーテンエアバッグなどが充実していることも必要だ。
以上のような条件に合った車種をカテゴリー別に取り上げてみよう。Z世代に限らず、幅広いユーザーに推奨できる運転しやすい買い得車がそろう。
カッコ良い&実用性も抜群!! 軽自動車・コンパクトカー編
軽自動車:ダイハツタフト
買い得グレード:2WD・G(148万5000円)
全高を1630mmに設定した比較的背の高い軽自動車だが、ファミリーユーザーではなく、2名以内で乗車する機会の多い若年層をターゲットに開発された。従って後席は荷室として使うことを前提に造られ、前後スライド機能などを省いてシートアレンジはシンプルだ。
その代わり価格の割に各種の装備を充実させた。買い得グレードのGには、大型ガラスルーフのスカイフィールトップ、LEDヘッドランプ、ハイビーム状態を保ちながら対向車などの幻惑を抑えるアダプティブドライビングビームを標準装着した。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなどの運転支援機能も装着可能だ。外観のカッコ良さも含めて、若いZ世代にピッタリだ。
コンパクトカー:ホンダフィット
買い得グレード:2WD・1.3ホーム(176万7700円)
若いZ世代向けの車種としては、フィットも推奨される。内外装が地味な印象も受けるが、実用性は高い。クロスターを除くと全長は4m以下の5ナンバー車で、最小回転半径も、ノーマルエンジンを搭載する買い得な1.3ホームは4.9mだから小回りも利く。ピラー(柱)の形状を工夫したから前後左右ともに視界が優れ、初心者も運転しやすい。全高は1550mmを下まわり、立体駐車場も使いやすい。
そのいっぽうで空間効率が優れ、後席の足元空間はCR-V並みに広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半に達する。
燃料タンクを前席の下に搭載したから荷室の床は低く、後席はコンパクトに畳めて大容量の空間に変更できる。後席の座面を持ち上げると、車内の中央が背の高い空間になり、後席のドアからでも荷物を積み込める。このようにフィットは実用性が抜群に高く、価格は割安だ。若年層にも適している。
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