■今回の料金変更でますます首都高の利用方法は「短距離型」に移行するだろう
では、今回の首都高値上げで、いったいどんな影響が出るだろう。
6年前の料金改定では、料金の下限が500円から300円に下がり、上限が900円から1300円に上がったことで、短距離利用が増えて長距離利用が減った。
今回、長距離が値上げになることで、長距離利用が減ることは間違いない。それによって、例えば新大宮バイパスや環状8号線、国道1号線、15号線、国道357号線(湾岸道路)といった、首都高と主に南北方向に並行する幹線道路の交通量が増えるなど、多少の影響が出る可能性はある。
深夜割引の新設に関しては、首都高の場合、NEXCOの高速道路のような長距離利用はないため、割引額が小さく、わざわざ深夜に走ってまで節約しようというドライバーはほとんどいないだろう。そもそも深夜は一般道も空いているので、そこまでして深夜に走るくらいなら、首都高を使わないはず。それなら以前から実行可能だった。
今回の首都高の深夜割引の導入は、交通量の平準化に寄与せず、ほとんど無意味だが、これは首都高がETC専用になった後に導入される「ピーク時割増」のプレリュードと考えるべきだ。
また、今回は激変緩和措置として、上限料金が従来の1.5倍以内に抑えられたが、2030年のETC専用化に合わせて上限料金は撤廃され、現状の最長距離(さいたま見沼―幸浦間87.3km)だと2990円になる可能性が高い。
「ええっ! そんな値上げ、冗談じゃない!」
そう感じるのも無理はないが、あまり心配はいらない。わざわざ狙わないかぎり、それほど長距離を走る機会はまずないからだ。
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