ビンテージイヤー「1989年」を生んだ1980年代の名車20選

■19:スズキ アルトワークス(初代・1987~91年)

 2代目アルトの途中で追加されたホットバージョンがアルトワークスだ。直列3気筒エンジンはわずか550ccの排気量だが、DOHC4バルブエンジン方式で、インタークーラーターボと電子制御燃料噴射装置を組み合わせた。

 ボンネットバンなのに驚異的なスペックだったから64ps規制の引き金となっている。FF車はじゃじゃ馬だった。

■20:ホンダ トゥデイ(初代・1985~88年)

 軽自動車市場から撤退していたホンダのカムバック第1作がトゥデイだ。オーバーハングを切り詰め、ロングルーフとした独特のプロポーションを売りにし、キャビンは後席でも居心地がいい。

 エンジンは直列2気筒でスタートしたが、1988年にフェイスリフトした時に3気筒エンジンに換装。OD付き2速ATは本格的な3速ATとなった。


【番外コラム01】1980年代のクルマ技術

 1980年代はDOHCターボ(1982年トヨタセリカ)、フルタイム4WD(1985年マツダファミリア)、CVT(1987年スバルジャスティ)、ABS(1982年ホンダプレリュード)、エアバッグ(1987年ホンダレジェンド)、など画期的技術が多数登場。

 キャブレターに代わりインジェクションが一般的になったのも1980年代だ。装備面では1981年にホンダが世界初のカーナビと言われるエレクトリックジャイロケータを発売。

 1980年代は日本車の高性能化が顕著だが、空力にこだわったエアロフォルムの流行も見逃せない。今では法規上商品化が無理なリトラクタブルヘッドライトも1980年代が全盛時代だった(←懐かしい!!)。

【番外コラム02】個性派が百花繚乱!

 昭和最後の10年となる1980年代は、日本の自動車産業が販売数を伸ばし、技術面でも飛躍的な伸びを見せた時期だった。1970年代前半に端を発したオイルショックは深刻化し、国産の高性能モデルは軒並み牙を抜かれ(性能ダウン)魅力を失っていった。

 そのオイルショックも収まり、各メーカーとも排ガス対策にも目処がついたから、再び高性能を追求するようになった。新世代DOHCやターボが台頭し、AT車やエアコン装着車でも速いクルマが続々と登場した。

 日本初、世界初技術も多数登場している(日産、ホンダが熱心だった)。日本車が本当の意味で高性能化する礎となった時期とも言える。

 3ナンバー車から軽自動車まで高性能エンジンを積み、先進装備と快適装備も意欲的に盛り込んだ。

 1981年登場のトヨタの初代ソアラがプレミアムスポーツクーペの市場を開拓し、FFのスポーツモデルも珍しくなくなる。軽自動車もボンネットバン(商用車)が主役となり、価値観が変わった。

 また、それまでの日本車にはなかった新しいジャンルのクルマもいろいろ誕生した。ワンボックス商用車やSUVは、アウトドアレジャーが盛り上がったことにより、乗用車感覚を強めた。

 さらに後席の快適性を高めたステーションワゴンも一気に増えてくる。安心を提供する4WDを仲間に加えるなど、クロスオーバー現象が見えたのも1980年代だ。

【画像ギャラリー】黄金のビンテージイヤー「1989」を熟成させた1980年代の名車たち!! 後半(11〜20)の写真はこちら!!(10枚)画像ギャラリー

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