ミラージュがテスラに勝った!? クルマ界の不思議 6選[環境・エコカー編]

【不思議 3】 なぜスイフトのストロングハイブリッドにRSはない?

 2017年7月にストロングハイブリッド(SGとSL)が追加設定されたスイフトだが、1Lターボと1.2LマイルドハイブリッドにあるRSグレードはない。これはなぜなのか? 渡辺陽一郎氏は次のように分析する。

「“選択と集中”ということでしょう。RSを買うのなら、ふつうの1.2Lガソリンか1Lターボ、それにマイルドハイブリッドがありますから。ただ、現状だとマイルドハイブリッドもストロングハイブリッドもグレード名は同じく『ハイブリッド●●』となっていて、スズキとしては将来的にはわかりやすく整理したい意向もあるんじゃないかと。

個人的にトランスミッションで癖のある5AGSとの相性は、モデルとしてはRSのほうが向いていると思うので、将来的にストロングハイブリッドにRSグレードが追加される可能性はあると思います」。

2017年7月にストロングハイブリッドが追加されたスイフトだが、唯一RSグレードが設定されず

【不思議 4】 ヴィッツのFFはアイドリングストップがあるのに、4WDにはないのはなぜ?

 ヴィッツの1.3L車には、FFと4WDで各々「F」「ジュエラ」「U」の3グレードが設定されている(FFのみ、「Uスポーティパッケージ」もあり)。4WDはFFの各10万8000円高の価格設定となっているのだが、なぜかアイドリングストップ機構がついているのはFFのみ。

 FF車はアイドリングストップ機構以外にハイブリッドでおなじみアトキンソンサイクルに加え、クールドEGR、電動モーターで制御した可変バルブタイミングなどを盛り込んだINR-FKEエンジンを搭載。JC08モード燃費25.0km/Lをマークする。

 いっぽう、4WD車のエンジンは同じ1.3LながらINR-FEエンジンとなり、FFのような技術は採用されていない。このため、4WDのJC08モード燃費は18.0km/Lにとどまる。ここまで燃費の差が開きながら、価格差は4WDが10万8000円高いとなると、トヨタとしては販売面で「ヴィッツの1.3LはFFを買ってね」ということなのだろう。

【不思議 5】 水素ステーションの数はいま

 2014年12月に世界初の量産型燃料電池車としてトヨタのMIRAIが誕生したことで、同時に注目されたその燃料の給油所となる水素ステーション。

 しかし、最近は世界中で高まるEVシフトの機運によって、燃料電池車の存在感は低下気味。水素ステーションのほうも話題になることが少なくなっているが、その数は増えているのか?

 現在(2017年10月)の水素ステーションの設置数は移動式ステーションを含めて92カ所。2015年4月の時点では19カ所だったので、2年半で73カ所増設されている。

 この数字だけをみると着実に増えているように感じるのだが、次世代エネルギーを推進する政府は、水素ステーションの目標建設数を2015年末までに100カ所としていたという。その目標を達成できていない状況だ。

 また、関東でも埼玉県より北側の栃木県や群馬県、その先の東北地方も水素ステーションがない地域が多い(福島県には建設計画があるが……)。

燃料電池車も水素ステーションも、もっと増えてもらわないと。まだまだ不便な状況だ

 なぜ、水素ステーションは増えないのか?

 最大の理由は建設コストで、1カ所の建設費用が4億円を超えるといわれ、採算が取れるには1カ所当たりの顧客として燃料電池車が約1000台必要だという。そのような状況もあり、建設が進んでいない。

 それと、水素を燃料とする燃料電池車の普及がやや伸びていないこともその理由。燃料電池車の2017年度の保有台数は1813台。1カ所当たりの水素ステーションの顧客が1000台必要だという採算ラインに対し、すでに供給過多になっている現状だ。

次ページは : 【不思議 6】 日本車が欧州で思いのほか売れていない?

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!