本誌『ベストカー』にて、毎号技術系の最新情報や気になる話題をお届けしている「近未来新聞」。
今回は日経新聞発表の2021年のEV販売世界ランキング、大阪万博で注目される空飛ぶクルマ、ロシアのウクライナ侵攻で変動する中古車相場などの話題をお届けします!
※本稿は2022年4月のものです
文/角田伸幸、写真/TESLA、ベストカー編集部、AdobeStock(トップ画像=navee@AdobeStock)ほか
初出:『ベストカー』2022年5月10日号『近未来新聞』より
■EVの販売ランキング人気だったのはどこ?
2021年に販売されたEVのメーカー別ランキングを日本経済新聞がまとめた。
下がそのトップ5を抜粋したもの(TOP20については画像ギャラリーにて)。
●2021年のEV世界販売ランキング
・1位 テスラ(米)
・2位 上海汽車集団(中)
・3位 フォルクスワーゲン(独)
・4位 BYD(中)
・5位 日産・ルノー・三菱アライアンス(日・仏)
販売台数を見るとかつてのテスラ一強のような状況は変わりつつあり、10万台超のメーカーが11社もある。
それでもテスラは強い。昨年は93万台超を売り上げている。しかもその大半をモデル3とモデルYという2車種だけで達成したのだから凄い。
2位の上海汽車集団だが、傘下の上汽通用五菱汽車が販売した「宏光MINI・EV」のヒットが大きい。日本でも話題となった50万円の激安EVだが、中国の地方や農村部で需要が高いようだ。
5位には我らが日産・ルノー・三菱アライアンスが入った。リーフに加えて、ルノーが欧州で販売しているゾエの人気が効いた。今年はアリアとSAKURAも加わり、さらなる躍進を期待できる。
躍進したのがフォードだ。昨年発売したマスタング・マッハEが欧米でヒットし、たった1車種で5.5万台を売り上げ、19位に入った。
日産・三菱以外の日本勢はホンダが27位、トヨタが29位と精彩を欠く。bZ4X/ソルテラを皮切りに反攻に転じることを期待したい。
EV市場はまだまだ激戦区。今年も思わぬ大波乱が起きるに違いない。
■空飛ぶクルマの幕開け!? 大阪万博の概要判明!
いわゆる「空飛ぶクルマ」を考える時に、ひとつの契機になるのが、2025年に開かれる大阪・関西万博。
このイベントでは空飛ぶクルマが交通の主役となるはずで、すでに国や関連企業が着々と準備を進めている。
このたび、その概要が判明した。会場となる大阪臨海部の夢洲(ゆめじま)への路線が8つ作られ、毎時20便程度の空飛ぶクルマが飛び交うようだ。
8路線の内容だが、「大阪市内」「大阪湾岸部」「伊丹空港」「神戸空港」「関西空港」「神戸市内」「淡路島」「京都・伊勢志摩」が夢洲と結ばれる。周辺での遊覧飛行も行われるらしい。
機体を飛ばす事業者は今年度中にも決まるようだが、1社に限定せず、複数の企業が受託されるもよう。1時間に20便という運行頻度を考えれば、当然かもしれない。
どこが受託するかだが、米ジョビーアビエーションと提携するANAが、同社の機体で参入するだろう。いっぽうのJALは、独ボロコプター社の機体を使って運行を手掛けるはずだ。
日本製の機体はないのか気になるが、先ごろスズキとも提携したスカイドライブが確定している。2人乗りという点は気になるが、プライベートな移動には悪くないはず。
空飛ぶクルマの幕開けとなるイベント。楽しみに待とう。