本誌『ベストカー』にて、毎号テック系の最新情報や気になる話題をお届けしている「近未来新聞」。
今回は270万円で充実装備のEV BYD製コンパクトSUV「元PLUS」とは? JAL&ANA、コロナ禍からの復活に向けて動き始めた航空業界の巨人たち、レース向け人工知能がレースゲームの世界王者たちに圧勝! などの話題をお届け!!!
※本稿は2022年3月のものです
文/角田伸幸、写真/AdobeStock、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年4月10日号『近未来新聞』より
■充実装備で270万円!! 中国製EVの激安ぶり
お隣の中国ではお手頃なEVが続々と登場しているが、また1台、競争力のありそうなモデルが加わった。BYD(比亜迪汽車)の発売した「元PLUS」がそれだ。
BYDとは広東省深セン(センは土へんに川)に拠点を構える民間の自動車メーカー。乗用車では中国の歴代王朝を車名にしたラインナップが主力で、「漢」「秦」「唐」「宋」「元」といったモデルを擁する。
「元PLUS」はそのなかの「元」から派生した電動コンパクトSUVで、4475mmという全長は日産リーフとほぼ同じ。バッテリー容量は50kWと61kWがあり、後者は公称510kmの航続距離を誇る。
装備も必要十分。ハイテク感のある車内には15.6インチの大型ディスプレイが備わり、4G通信やACC、車線維持、自動駐車といった高度な運転支援装置も搭載する。1クラス上の高級EVにも負けない装備内容なのだ。
そして驚きなのが価格。これだけの内容を持ちながら、元PLUSの価格は50kWモデルが約14万元(約252万円)、61kWモデルが約15万元(約270万円)という爆安プライスなのだ。
最近日本にも導入されたヒョンデ・アイオニック5でも感じたが、中韓勢のEVは品質も値付けも攻めている。日本メーカーは足をすくわれないように、要注意だ。
■ANAが「空飛ぶタクシー」実現へ!? JALはドローン物流を商用化???
オミクロン株の流行で再び苦境に陥っている航空業界だが、ANAとJALが復活に向けて動いている。
まずANAだが、アメリカの新興企業ジョビー・アビエーションと組んで、日本での「空飛ぶタクシー」実現に向けた運行サービスの検討を始めた。ジョビーは空飛ぶタクシーにおけるトップランナー企業のひとつであり、すでにトヨタが4億ドルを出資していることでも知られる。
ジョビーが開発中の機体は5人乗りで、最大航続距離は240km。ANAはこの機体の運行管理はもちろん、パイロットの養成や法整備でジョビーと連携し、日本でのサービス実現を急ぐ考え。具体的には、現在クルマで1時間程度かかる関西空港〜大阪駅間を、15分で結ぶサービスなどを考えているようだ。
一方JALだが、KDDIと組んでドローン物流の商用化に動き出した。
ドローンについては航空法が改正され、いよいよ今年末から有人エリアにおける目視外飛行(レベル4飛行)が可能になる。JALとしてはそこから時間を置くことなく、翌2023年度にも商用サービスを開始するとのこと。
これまで離島や山間部は、物流で大きなハンディを背負ってきたが、ドローン物流がその改善に大きく貢献することは間違いないだろう。
まだまだ厳しい日本の空だが、明るい未来も見えている。期待しよう。
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