■紙地図に慣れているか否かで答えは変わる!? タクシーもノースアップ派多し
それぞれの特徴がある以上、これはもう「好み」とか「感覚」というアナログ的な判断にもなってくる。
あくまでも傾向であってエビデンスとはほど遠い感覚論になってしまうが、紙の地図を見慣れた世代(高い年齢層)はノースアップを好む傾向が強い。
筆者はどちらでも大丈夫だが、過去先輩ジャーナリストのクルマのカーナビがノースアップになっていたので、わざとヘディングアップに換えてみたら「こんな見にくい画面をよく使うな。人は(紙の)地図に慣れているんだから北が上の方がいいに決まっている」とたしなめられた。
まあ、ごもっともではあるが、あまりにもその強いこだわりにちょっと辟易した記憶もある。確かに紙の地図をクルクル回して使っていた人は見たことが無いし、それに慣れた人にとっては自然なのだろう。
またこれもあくまでも自分が直接聞いた話だが、タクシードライバーは研修時にカーナビの画面をノースアップにすることを教える会社があるそうだ。
ある時、タクシーに乗った際にノースアップだったことに対し、質問してみた所「紙の地図と同じ感覚であることも重要ですが、うちの会社では後席に乗ったお客様がカーナビの地図を見た際に、ノースアップじゃないとわかりづらいのでこういうルールなっています」とのことだった。
要はカーナビを使っていても「この辺で降ろして欲しい」とか「その先を曲がって欲しい」などのリクエストをする際にもノースアップでないとお客様がわかりづらいから、という理由だそうだ。
■もはや脳科学レベルの話!? 将来的にはヘディングアップで統一か!?
結局の所、どちらが良いとかは好みの問題ではあるが、いわゆる「方向感覚」は脳内にある神経細胞がGPSに近い働きをする、という研究発表もされている。
また帰巣本能に関しても同様で、人間は太陽の方角や景色(記憶)、地磁気などの影響により自宅に戻ることができることも過去から研究されている。
こうなるともはや「脳科学」のレベルの話なので、筆者などが出しゃばる事ではない。
ただ経験上、地図の表示方法に関しては個人ごとの「空間認知能力」の差や、昨今よく言われる「UX(User Experience=ユーザー体験)」の視点から見ると、個人ごとに抱く印象(体験)が結果として好みに反映されるのではないだろうか。
今後もノースアップとヘディングアップは両立していくはずだ。ただ、今の若い人(年齢だけでなく感覚も)は例えばスマホでGoogleマップを使いナビ案内をする際、デフォルトのヘディングアップを違和感なく普通に使いこなしているのも現実。
さらに今後HUD(ヘッドアップディスプレイ)などが進化した際には向かうべき方向を基本としてUIなどが構成される可能性が高い。そうなると未来的にはヘディングアップの方が若干メインになってくるのかな、とも考えている。
【画像ギャラリー】「北が上」という常識に魂を縛られた古いオトナたちよ!! ニュータイプたちはヘディングアップを使う!?(6枚)画像ギャラリー
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コメントの使い方ヘッドアップでしか走れない人は道を覚えない