■自転車を積みやすいクルマの条件を考える
サイクリング目的でなくても、アウトドアとか、自転車で出かけた子ども(とか奥さん)を自転車とともに連れ帰るといった用途で、自転車が積めたら便利だな……と考える人はいるはず。
スポーツタイプの自転車なら車種にこだわらなくていいが、それ以外も含めて考えると、荷室スペースが十分に確保され、後席の前倒し(またはトランクスルー)があることは必須で、そのうえに下記のような条件を満たす必要がある。
●室内高が高い(1000mm以上が理想)
●荷室開口部が広い(高さ/幅ともに1000mm以上が理想)
一般的な自転車は、スポーツタイプの自転車や折りたたみ式のようにコンパクトな状態にできないので、そのまま積み込むことになる。よって、室内と開口部は自転車の全高を許容する寸法が求められる。
●フロアが低い(60mm以下が理想)
スポーツタイプの自転車は総重量が10kg以下というのが大半なので、積載時に労せず持ち上げることができる。ただし、子ども用ならともかく、大人が乗れる自転車の重量は10kg以上だし、電動アシスト車になると20kgを超える。
これを持ち上げるのは、女性はもちろん男性の腕力でも少々難があるので、積載を少しでも楽にしたいなら、フロア位置は低いほうがいい。
●荷室長(室内長)が長い(1500㎜以上が理想)
自転車のハンドルを曲げた状態で積載するなら荷室の長さは1500mm程度で十分。積載する自転車の全長分あればなおよし。
このような条件を満たしていれば、ロードバイクやクロスバイクはタイヤを外さなくても載せられるし、ママチャリなどのシティサイクルも難なく積める。6ホイールでドライブとサイクリングの両方を楽しんだり、家族をお迎えに行くといった用途にも頼もしく応えてくれる。
■自転車を積みたくなるクルマ5選
では、具体的にどんなジャンル、車種がオススメかを考えてみよう。
【スポーツタイプの自転車の場合】
●ワゴン
天井の高さが低いものの、荷室は長さ、幅ともにスペースが広く、開口部にも十分な余裕があるなど、積載性に秀でた能力を持つので自転車を積むには最適。タイヤを外して後席を倒せば2台積載も問題なし。
●SUV
本来、アウトドアレジャーをはじめ、多目的に使えるクルマとして作られたクルマだから自転車を積むなんて朝飯前。車内は室内高に余裕があるので、前輪を外せば自転車を立てた状態で載せられる。
【シティタイプの自転車の場合】
●ハイルーフ系のコンパクトカー
スズキ ソリオ、トヨタ ルーミーなどのハイルーフ系のコンパクトカーなら、軽自動車のハイルーフ系よりも室内長や幅に余裕があるので積載には断然有利。エンジン排気量にも余裕があるので、遠出するときでもストレスなく走れるというのもオススメの理由だ。
●ミニバン
「家族や友人とサイクリング」という目的ならミニバン一択。スポーツタイプの自転車ならタイヤを外せば複数台の積載を許容するから、4人+4台で出かけられる。2列目をアレンジすればシティサイクルの積載も楽勝だ。
●軽ワンボックス
もともと商用車として開発されたクルマなので、制裁能力の高さは文句なし。エンジンが非力なので遠出は少々辛く感じることもあるが、ビジネスシーンで重宝する優れた実用性は、遊びや趣味を強力にサポートしてくれるのは間違いない。
※ ※ ※
どんな車種にも共通して言えることだが、自転車を積む時は寝かせるだけ、積み込むだけでは走行中に自転車が車内で移動してしまう可能性があるので、ベルトやフォークマウントなどでしっかりと自転車を固定しておくことが望ましい。
また、急ブレーキを踏むと自転車が前方に飛んでくる恐れがあるし、急ハンドルなどで必要以上にクルマが揺れたり振動すると、自転車のチェーンが外れなどのダメージを与えかねない。自転車を積んで移動する時は、いつも以上に安全運転を心がけてほしい。
クルマに自転車を積んで目的地まで行って、現地の空気を感じながらサイクリングを楽しむ。あるいはオートキャンプのお供に、旅先での移動手段として自転車を持っていくなどなど、今年の夏休みは、ドライブとサイクリングの両方が堪能できる、6ホイールライフを実践してみてはいかがだろう。
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