近年の自動車はドライバーをサポートし、より安全性を高める装備の進化が進んでいる。その背景にはカメラやモニターの進化も寄与しているといえるだろう。
そして2018年にレクサスESから導入された画期的な装備が、カメラ式のサイドミラーだ。従来のミラー式ではなく、外部に小ぶりなカメラを設置し、車内に置いたモニターで後方視界を確認する装備だ。
このサイドミラーの現時点での評価を再確認した。
文/斎藤聡、写真/ベストカー編集部
■2022年半ば時点でのカメラ式サイドミラーを評価する
カメラ式サイドミラーの現時点での評価を忌憚なく述べるとすれば、『あったら面白いけれど無くても不便を感じない。コストパフォーマンスを考えると、まだ積極的に選ぶメリットが希薄』……といったところでしょうか。
ただし、これは「現時点での」という但し書きが付きます。カメラ式サイドミラーはまだ登場してからに時間も短く、完成度という点ではまだまだ発展途上といったものだからです。
カメラ式サイドミラーの登場は、2018年にレクサスESにオプション設定されたのが最初でした。従来の大型サイドミラーが、短い触角のようなカメラユニットに置き換えられたそのビジュアルに驚かされたのを覚えています。
ただ、オプション設定ということもあって、室内のモニターは後付け感が強く、インテリアデザインにしっくり馴染んでいるとはいえませんでした。また映像の解像度も荒く、従来の鏡を使ったバックミラーと比べ精細度に欠け見にくく感じたのも印象を悪くする要因の一つでした。
もちろん良い点もたくさんあります。まず、トンネル内や夜間でも画像が明るく視認性がいいこと。ウインカーやバックギヤと連動して視野角が拡大してくれること。
また、ミラーと比べカメラユニットは小型なので斜め前方の死角が少なく、想像以上に前方視界がクリアで広く感じられることもメリットに挙げていいと思います。サイドミラーの小型化は空気抵抗や風切り音などノイズを低減などの点でも有利です。
レクサスESにカメラ式サイドミラーが導入された時、特に視認性の点で進化の発展途上感を覚えたのですが、その一方、様々な可能性を秘めていることも感じることができました。
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