最低限のメンテで車齢が変わる ! 新車から10年以上長く乗るための5つのターニングポイント

■10年以上乗るためのターニングポイント2/定期点検

弊社所有のハスラーの12カ月点検をした時の整備記録簿。他メーカーの12カ月定期点検記録簿もほぼ変わらない内容だ
弊社所有のハスラーの12カ月点検をした時の整備記録簿。他メーカーの12カ月定期点検記録簿もほぼ変わらない内容だ

 普通、クルマの各部は使用期間や扱い方に応じて劣化が進み、性能が低下する。そのまま放置しておけば不慮の事故や故障、燃費の悪化を招き、しいてはクルマの寿命を縮めることにもなる。そこで、必要となってくるのが使用期間に応じて行う「定期点検」で、道路運送車両法によってユーザー(使用者)に実施が義務付けられてもいる。

 つまりドライバーには「適正な管理」が義務付けられており、クルマの安全はユーザーの責任において確保する必要があるのだ。

 そしてこの「定期点検」は、ユーザー自らが目視等で確認する「運行前点検」と、法律で定められている「法定点検」の2つがある。

 前者は日々の安全を確保するため走行距離や運行時の状態などから判断したとき、走り出す前に実施する目視確認主体の、一般ユーザーにも無理なく実施可能な全15項目の点検。メカに自信がなければ行きつけの整備工場のプロに依頼して点検方法をレクチャーしてもらうなどして、自身で行えるようにしておきたい。

 さて、後者は車検と車検との間に行う「法定1年点検(12ヵ月点検)」と、2回目以降の車検と同時期に行う「法定2年点検(24ヵ月点検)」の2つがある。

 一般的に、「24ヵ月点検」は「車検」と同時に実施するため、未点検になることはないが、「12ヵ月点検」は何かと怠りがち。車検切れで公道を走ると重い罰則・罰金があるのに対し、法定点検は義務ではあるものの受けなくても罰則が無いからだ。

 しかし、「12ヵ月点検」を怠ったことによって生じた整備不良が原因の「故障」や「事故」を起こしてしまった場合、事故時の保険金の金額に影響。新車のメーカー保証は「12ヵ月点検」を行っていることを前提としているため、場合によってはメーカー保証が受けられなく恐れも。プロに点検を依頼すれば費用はかかるが、水と安全はタダではない。くれぐれも注意したい。

■10年以上乗るためのターニングポイント3/24ヵ月点検・車検

車検時の油脂類の交換は絶対ケチってはいけない(naka@Adobe Stock)
車検時の油脂類の交換は絶対ケチってはいけない(naka@Adobe Stock)

 「24ヵ月点検」は基本的に「車検」と同時に行うため、点検に出しているという意識が薄く、両者をゴッチャに捉えがち。

 しかし、「法定点検」がクルマの故障を未然に防ぐことが目的なのに対し、「車検」は検査時点における安全面や環境面が基準を満たしているかどうかの確認であって、それ以降の安全を保証するものではない。

 また、「点検」はあくまで正常な状態あるいは正常値内にあるかどうかを確認する作業で、確認の結果、必要となって実施した修理やパーツ交換は「整備」で、点検とは別途、費用がかかることになる。が、プロがチェックして修理や交換が必要と判断したものなら、自身の安全のため迷わず整備を依頼したい。

 特に注意すべきは油脂類だ。コレだけはケチってはダメ! 特に「ブレーキフルード」は無条件で交換を依頼したい。ブレーキフルードは湿気に弱く、1年も経過すると水分を取り込んで劣化。徐々に茶色く濁ってくる。

 そのまま2年以上使い続けると、混入した水分でマスターシリンダー内壁がサビて液漏れを誘発。吸水すると沸点が下がってべーパーロックなどのトラブルも起こしやすくなるので、走行距離が少ないからといって交換を怠ってはならない。遅くとも車検毎(2年毎)の交換が必須だ。

次ページは : ■10年以上乗るためのターニングポイント4/真夏の時期

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!