通行帯違反の取り締まり実績は?
高速道路における通行帯違反の取り締まりは、比較的活発に行われている。内閣府のまとめた交通安全白書(平成30年版)によると、2017年における高速道路での車両通行帯違反は6万1362件であった。
高速道路の違反で最も多いのは「最高速度違反」で37万4085件に達するが、車両通行帯違反も2番目に多い。
あおり運転を防止するには、追越車線を走り続けるようなあおり運転の原因をなくすことも大切だ。
追越車線上を走り続けることが、危険を誘発する誤った運転であることを周知徹底させねばならない。
取り締まりも大切だが、その前段階の周知徹底させる努力を怠ったのでは、取り締まりが「税金稼ぎ」の手段になってしまう。速度違反と同様の危険な運転であることを、多くのドライバーに知らせることが先決だ。
追越車線を漫然と走る車への対処法
さて、高速道路を走っている時、追越車線上を走り続ける車両がいた時はどうするか。当たり前だが、後方であおる運転をするのは厳禁だ。
まずは車間距離を十分にあけた上で、ヘッドランプによるパッシングをする。後続車両の存在を知らせ、同時に「道を譲って欲しい」意図も伝えられるからだ。
このパッシングにもコツがある。ドアをノックする要領で、パチ、パチッと光らせれば、相手に悪い印象を与えにくい。「すみません、車線を移してもらえませんか」というメッセージだ。
しかし、ハイビームをビカーッ!と浴びせると「そこをどけ」という乱暴なニュアンスになってしまう。少し大げさにいえば、パッシングにも人格のようなものが表現されるから注意したい。ドライバーの気持ちの表現だから、「すみません」と思っていれば、自然にそういうパッシングになる。
パッシングをしても追越車線に居座っている時は、自分は中央の走行車線に移る。後に続いていると、自分まで追い越しの必要がないのに、追い越し車線を走ることになるからだ。後続の車両から自分があおられる危険も生じる。
中央の走行車線に移ったら、しばらく追越車線を走り続ける車両の左斜め後方を並走する。それでも走行車線に戻る様子がない時は、中央の走行車線を走りながら追い抜く。
ただし、これは前述のように危険が伴うから、降りるインターチェンジが近い時は、そのまま走行車線を走り続けるのが良い。
追い抜く時は、相手車両の前輪に注意する。前輪が少しでも左側を向けば、車線を変えてくる可能性が高いからだ。
残念ながら、追越車線を走り続けるドライバーに上手な運転やマナーは期待できない。何も考えずに漠然と走るから、追越車線に居座る。このようなドライバーは何をするかわからないので、追い抜く時には前輪の微妙な動きなど、車両挙動の変化に気を付けたい。
できれば追い抜きは、左車線(第1通行帯)に並走車両がいないタイミングを見計らって行う。そうすれば万一左側へ進路を変更されても、逃げやすいからだ。
◆ ◆ ◆
追越車線を走り続ける車両に遭遇した時は、第一に安全を優先させる。それは相手車両を含めた周囲の安全確保にも繋がる。
そして、パッシングなどを行って反応がなければ、走行車線に移って距離を離す。自分も一緒に追越車線を走ると、追突などの被害に遭遇しやすいから注意したい。
(※本稿では、車線変更をしない「追い抜き」と車線変更を伴う「追い越し」を使い分けて表記しています)
コメント
コメントの使い方