デリカD:5が三菱車のなかでは、新型のアウトランダーに続き2位の好調さを見せている。
オフロードに強い、SUVにも負けない4WDシステムを搭載したラージミニバンとして、唯一無二の地位を確立しているデリカD:5。マイチェンでディーゼルエンジンに一本化され、安いとは言えない価格(391万3800~448万9100円)であっても、支持され続ける理由はなんだろうか?
三菱のシェアから考えれば、SUV人気のなかにあって絶好調と言えるデリカD:5の強みについて考察していきたい。
文/渡辺陽一郎
写真/三菱、ベストカーWeb編集部
■ヴォクシー、セレナに比肩する堅調な販売を見せるデリカD:5
今はクルマの売れ行きが下がった影響もあり、フルモデルチェンジの周期が6~8年に長引いている。それでも10年を超えると、飽きられて売れ行きを下げる。一部の悪路向けSUVや商用車を除くと、生産を終える車種も増える。
ところが三菱のミニバン、デリカD:5は違う。2007年に発売され、すでに15年を経過したが、今でも堅調に売られている。直近の2022年5月の登録台数を見ると、三菱の小型/普通車では、アウトランダーに次ぐ2位であった。
2021年度(2021年4月から2022年3月)は、1カ月平均で約1180台が登録され、三菱の小型/普通車では最多販売車種になっている。
1カ月平均で約1180台の登録台数は、決して多くないが、三菱は国内の販売店舗数も約550箇所と少ない。トヨタの約4600箇所、ホンダの2200箇所、日産の2100箇所を大幅に下まわる。
従って1店舗当たりのデリカD:5の登録台数は、トヨタのヴォクシーや日産のセレナと同程度だ。発売から15年を経過しながら、好調な売れ行きを保っている。
■デリカD:5が持つ強み[1] 『外観がSUV風でカッコイイ』
デリカD:5が今でも注目される背景には、6つの強みがある。まずはミニバンでありながら、人気の高いSUVの特徴を併せ持つことだ。
三菱はもともとSUVが得意なメーカーで、デリカD:5も外観が野性的だ。2019年に実施されたマイナーチェンジでは、フロントマスクを今の三菱車に共通するダイナミックシールドのデザインに仕上げ、野性味をさらに強めて人気も高まった。
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