混雑している駐車場で、「あ! 空いている」と思ってそこに行くと、大きめのSUVの影に隠れるように軽自動車が停まっていた、という残念な思いをしたことはないだろうか。
ほかにも、都心に停めたら目が飛び出るほど料金が高かったり、ショッピングモールの駐車場で空いてるのに隣に停められるなどなど、”駐車場”という場所に関する、巷の話を取り上げてみました。
文/フォッケウルフ
写真/フォッケウルフ
■月極駐車場選びは永遠の悩み
クルマに乗るうえで駐車場というのは、必ずついてまわるもので、すでに所有している人は駐車場がいかに重要であるかを痛感した経験をお持ちだろう。これから所有を検討している人にとっては愛車候補と同じくらいじっくりと考える必要がある。
たとえば、月極駐車場を借りる場合、どういったことを加味するのがベターなのか。月々の賃貸料は絶対だが、一般的な条件として挙げるなら、自宅と駐車場間の距離も重視すべきだろう。近ければ、クルマに乗るまでの時間を短縮できるし、荷物を運ぶ時や、忘れ物をした時などに移動が苦にならない。
ちなみに、「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」によると、保管場所の要件として「自動車の使用の本拠の位置から2km以内(直線距離)の場所であること」とされている。
また、同じく車庫法では「道路から支障なく出入りができ、かつ、自動車の全体を収容できるものであること」ともある。広さはもちろんだが、両隣との間隔とか入出庫のしやすさ、さらに前面道路が一方通行とか、人通りが多いなど、駐車場とその周辺に煩わしさがないことも確認事項と言える。
月極駐車場検索サイトの「アットパーキング(https://www.at-parking.jp/)」に登録された月極駐車場の平均賃料(2022年6月時点)のうち、特に高額な東京23区を調べてみると、以下のような結果となった。大切な愛車を保管するのだから、立地条件と賃料のバランスで選びたいものである。
■クルマ好きの大敵、トナラー出現!
わずらわしいといえば、近年、駐車場関連の話題で取り沙汰される「トナラー」。これは、空いている広い駐車場で、ほかにスペースがあるのにわざわざ隣にクルマを停める人のこと。トナラーの心理については諸説あるが、真相は依然として謎のまま。
よく言われている「停まっているクルマを目標物として駐車したい」とか「ひと目につかない場所に停めるのが不安」とか「端からきちんと詰めていきたい」といった理由を挙げられると、なるほど……と合点がいくし、決して「こいつわざと隣にきたな」という、自意識過剰な反応を示すこともない。
しかし、クルマ好きの心情としては、他車にぶつけたり、ぶつけられたりといった無用なトラブルを避けるために、家族に不満をなげられつつも、あえて不便な(遠い)場所を選んで停めているのである。それにもかかわらず隣に止められると、「出たなトナラー!」と思い、用事さえなければ、ぜひ取材してみたい意欲にかられることがしばしばある(笑)。
それからトナラーの心理のひとつに、「自分と同じメーカーや同じ車種のクルマを見つけると仲間意識を持ってしまう」というのがあるらしいが、これに対して気持ちはわからないでもない。
ただ、自分のクルマには誇りを持っているし、愛着もあるが、同じ車種が2台隣に並んで停まっていると、なんだか恥ずかしい気持ちになるオーナーもいるということをわかってほしい。
トナラーの出没頻度が多い大型商業施設の駐車場では、愛車を停めた場所を失念することがたびたびある。たとえば「2B」というエリアに停めたことは覚えているのだが、そこへの行き方をまるで把握せず、風景が似ているまったく違う場所で愛車を探すも見つからない。そんな経験をしたことがあるのは、筆者だけではないはず。
近頃は、クルマと繋がるコネクテッド機能が普及し、車載に搭載された通信モジュールによってスマホと連携し、車両の位置がわかったり、特定の機能を作動させたり、車両状態をリアルタイムで確認することができる。
これ幸い! とばかりに意気揚々とアプリを起動し、愛車であることの目安としてヘッドライトの点灯させる指示を送るが、愛車の近くにいないわけだから、その指示が無意味であることに気づいてガッカリした経験があるのは筆者だけだろうか(笑)。
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