久々に愛車を運転する際に気を付けるべき5つのポイント

■初期型WRXの始動時に気を付けていること

マリオ氏所有の初期型WRXのノーマル然としたエンジンルーム。エンジンの暖気中は必ずボンネットを開けて異音・異臭や中の状態を軽く目視確認する
マリオ氏所有の初期型WRXのノーマル然としたエンジンルーム。エンジンの暖気中は必ずボンネットを開けて異音・異臭や中の状態を軽く目視確認する

 久しぶりにクルマを動かす場合、やはり大事なのは教習所で習った運行前点検を思い出すことですが、現実的にはパッと見ただけではわからないことばかりなので、まずはエンジンを始動させます。

 そして暖気運転。動かさなかった期間の長さにもよりますが、内部の潤滑が完全に止まっていたわけなので、2週間以上乗らなかったクルマは、最低でも10分くらいはアイドリングを続けたほうがいいでしょう。

 エンジンオイルが劣化していると、メカニカルノイズがやたら大きくなったりしますから、劣化や故障を発見できることもあります。エアコンのコンプレッサーも使わなさすぎると動きが悪くなるので、エンジン始動と同時に作動させましょう。ついでに、パワーウィンドウなども開閉させて、固着などしていないかチェックします。

 経験上、初代WRXのEJ20エンジンは、4~5カ月ぶりの始動でも一発でかかり、内部の潤滑が極端に悪くなっているような不具合を感じたことはありませんが、放置されがちな水平対向エンジンをバラしてみると、ピストンの上側だけ摩耗が酷いことがよく見られます。

 やはり数カ月経つとエンジンオイルは下がってしまうものなので、どんなエンジンでもそれを意識したほうがいいでしょう。放置しがちなクルマほど、劣化に強い高性能オイルを入れておくことが大事です。粘度指数は少し高めがいいかもしれません。

 あと、エンジンの暖気中は必ずボンネットを開けて中の状態を軽く確認しましょう。素人がパッと見てわかることは少ないものですが、異音や異臭の発見は確実に早まります。また、スバルのターボ車の場合、インタークーラーのコアに異物がたまることが多いです(大きめの昆虫や小動物の死骸など)。

■走る前と走り始めの注意事項

 エンジンの暖気が充分にできたら、なるべくゆっくり、腫れ物に触るような感じで可能なかぎり丁寧に走らせます。ブレーキローターの表面につくサビのようなものはすぐに落ちますが、最初の一発目のブレーキは極端に効きが悪くなるものと認識してください。車庫を出てすぐ下り坂になる場合は細心の注意が必要です。

 タイヤの空気圧は確実に落ちているものと考えましょう。特に、夏場から冬にかけて放置した場合は走行するのが危険なレベルで低下しています。空気圧の調整をすませてから発車できれば理想ですが、それが無理な場合は、まず行くべき先はガソリンスタンドなど空気圧の調整ができるところです。

マリオ氏の初期型WRXはオールペンしただけあってピカピカ。ガソリンスタンドにはだいたい可搬型のエアゲージ付き空気入れが常備されているので訪れた時には確認しておくとよい
マリオ氏の初期型WRXはオールペンしただけあってピカピカ。ガソリンスタンドにはだいたい可搬型のエアゲージ付き空気入れが常備されているので訪れた時には確認しておくとよい

 ちなみに国産ブランドのタイヤ場合、1カ月程度なら極端なフラットスポットができることはありませんが、接地面への負荷がかかっていたのは間違いないので、長期停車したタイヤでサーキット走行などスポーツ走行をするのは避けましょう。

 また、クルマが停まってた場所の路面をチェックすることも忘れずに。オイル漏れなど油脂類の異常を発見できるかも知れません。

 久しぶりに動かすクルマは、ブレーキやミッション、駆動系の手応えを確かめながら、なるべくジワジワと転がす感覚でクルマ全体を慣らしてあげるイメージで、徐々にペースを上げていきましょう。もちろんフル加速などは避けます。高速道路に乗るのも、しばらく様子を見て異常がないかどうか確認してからにしましょう。

 久しぶりに動かしたクルマは整備工場で点検を受けるのが理想です。それができない場合は、各部がなじみ、特に問題なさそうな場合でもなるべくマメにクルマを停めて、異音や異臭などの異常がないかチェックしたいところです。マフラーから蒸気ではなく、白煙、もしくは黒煙が出ている場合はエンジン内部に異常が発生している可能性が高いです。

 ガソリンについては諸説ありますが、経験上、入れてから1年までなら極端に腐ることはないと考えます。ただ、燃料タンク内にサビや劣化した燃料の固体化が進むと厄介なので、燃料系統を守るためにも、入れてから半年以上経過した燃料はどこかのタイミングでなるべく使い切って、新しい燃料をタンクの半分程度満たすことをオススメします。

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