■これまでには両方を同時に注文するケースも多かった
SUVのラインナップは多いが、ラダーフレームを用いた本格クロスカントリーを楽しめるクルマは非常に少ない。トヨタで考えれば、ランクル300とプラド、そしてハイラックスが対象車種になるが、ピックアップトラックのハイラックスはSUVとは言えず、検討から外れてくるだろう。
そうすると、ランクル300を乗り換え先として考えていたユーザーが行きつく先は、プラドということになる。サイズ、質感は大きく違い、同じだと言えるのは「ランドクルーザー」という名前程度になるが、力不足でも代わりの存在になるのはプラドだけだ。
圧倒的なランクル300の質感や、余裕のある室内空間は体感できないが、2列目シートまでを使用した、4名乗車が常であれば、プラドでも似たような雰囲気は味わうことができるだろう。パワートレインも、排気量は異なるが、ガソリンとディーゼルの二本立てだ。ランクルの雰囲気を味わうには、プラドに勝るものは無い。
実際にランクル300を契約したユーザーが、同時にプラドも注文していくというケースは多いという。約5年先まで納車されないランクルを待つ間、新車のプラドに乗って過ごそうとしているのだ。
このとき、ランクル契約時に支払う申込金と、プラド購入の資金は必要だ。追加購入するプラドに対しては残価設定ローンや2回払いの変則ローンなどを使い、使用する期間である3~4年分に相当する本体金額分しか支払わない。ローン残債は、ランクルが到着した際にプラドを返却することで、車両買取額と相殺する方法がとられている。
これをランクル200やプラドの中古車で行うケースもある。ただし、新車の残価設定ローンのように、数年後の車両査定額が予想しにくいため、投機的な面がある手法だと、営業マンは話していた。
ランクル1台だけを購入するよりもユーザーの負担増になるのは明らかだ。しかし、4~5年先まで今乗っているクルマがどうなるかわからず、すぐに買い替えの検討をしなければならないという場合に、「つなぎ」は有効な手段だろう。
プラドの残価率は、3年で65%、5年でも50%ほどと、比較的高い数字で維持されている。リセールバリューが高いプラドだからこそ、ランクル到着までの相棒にはピッタリだ。
ランクル300の納期はあまりに長い。しかし、購入を断念したくないという気持ちもわかる。長引く新車納期のなかで、「つなぎのプラド」が、ランクル検討ユーザーを、救う存在となるだろう。
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