■ギャランクーペFTO(1971年)→FTO(1994年)
1971年に登場したギャランクーペFTOはギャランの車名こそつくものの、ギャランGTOに対してホイールベースが短縮されるなどした、ギャランGTOの弟分的な存在である。つまり、過去のトヨタ車で例えるなら、初代セリカに対するTE27カローラレビンのような関係と言える。
ギャランクーペFTOにも1.6Lツインキャブレターを搭載するスポーツモデルのGSRが設定されたのだが、ギャランクーペFTOは1975年にランサーセレステを後継車に絶版となった。なお、FTOとはイタリア語で「公認された新鮮なクルマ」を意味する「フレスコ・ツーリズモ・オリジネーション」の略で、イマイチ意味が分かりにくいというのが率直なところだ。
1994年に復活したFTOは当時の4代目ミラージュをベースとしたスペシャルティカーで、成り立ちとしてはギャランクーペFTOに近く、FTOの車名を使ったのもよくわかる。ちなみに復活したFTOの車名の意味は英語で「フレッシュ・ツーリング・オリジネーション」(若々しく独創的なツーリングカー)に改められ、理解しやすくなった。
復活したFTOは2LV6エンジンを中心に搭載したモデルで、特にMIVEC(可変バルブタイミング機構)エンジンを搭載するトップグレードのGPXは日本車のFF車において、短期間ながら最速だった時期もあった。
また、ATはプラスとマイナスのゲートでシフトできるスポーツモードに加え、Dレンジの学習機能も持つもので、絶対な速さと完成度の高さも注目された。
しかし、FTOもGTO同様の理由でGTOとほぼ同時期の2000年に絶版となった。
■初代(1991年)&2代目RVR(1997年)→3代目RVR(2010年)
初代RVRは当時の6代目ギャランをベースに、リアドアは左側だけが開くスライドドアとした、今で言う2列シートミニバンとして1991年に登場した。
初代RVRはクルマ自体の堅実な仕上がりに加え、前後スライド機能を持つ後席など楽しげな明るい雰囲気を持っていたこともあり、なかなかの人気車となった。なお、RVRは「レジャー・ビークル・ランナー」の略である。
RVRはキープコンセプトで1997年に2代目モデルにフルモデルチェンジされるのだが、2代目RVRの販売期間中に三菱自動車のリコール隠し問題が起きた影響もあったのか、販売低迷により2003年に販売を終了した。
3代目となるRVRの復活は2010年のことだった。3代目RVRは、当時の初代アウトランダーのホイールベースはそのままに前後オーバーハングを切り詰めたコンパクトSUVとして再出発した。現在も販売中の復活したRVRも全体的に堅実な仕上がりなのだが、強い魅力に欠けるのも事実で、存在感が薄いのは否めない。
今後RVRは、こちらも車名復活組のエクリプスクロスといずれは統合される可能性もあり、その際に残るのはどちらだろうか。
■初代ミラージュ(1978年)~ミラージュディンゴ(2002年)→6代目ミラージュ(2012年)
1978年に初代モデルが登場したミラージュは2000年に一度目の絶版となるまで、カローラやシビックのライバルとなるミドルクラス、今でいうCセグメントカーのなかでは個性的なモデルというポジションにあった。また、ミラージュは一度目の絶版までワンメイクレースやラリー、ダートラといったモータースポーツ入門車という意味でも重要な存在でもあった。
ミラージュの車名はハイトワゴンのミラージュディンゴに使われ、ミラージュディンゴも2002年に絶版になるのだが、2012年に復活。
復活した6代目ミラージュはタイ国生産となる、トヨタパッソ&ダイハツブーン、日産マーチがライバルとなる小さめのコンパクトカーなのだが、復活したミラージュも現行RVR同様に魅力に欠けることもあり、存在感は薄く、販売も低空飛行が続いている。
ミラージュが今後も継続されるのであれば、現行モデルの改良なり、フルモデルチェンジのタイミングで、何らかの魅力を持つモデルとなることを期待したい。
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