スカイライン シビック WRX STI… 日本の誇るビッグネームたちの命運を分けた「ターニングポイント」11選

■ホンダ シビック(1972年初登場・現在11代目)

●こんなクルマ……マスキー法を世界ではじめてクリアした初代から歴史が始まるシビック。3代目からは走りのよさでも人気を集めたホンダを代表するモデル

5代目ホンダ シビックの4ドアセダンは「シビックフェリオ」のサブネームで登場
5代目ホンダ シビックの4ドアセダンは「シビックフェリオ」のサブネームで登場

●5代目

 アコードとともにホンダの屋台骨を支えているシビックは、1980年代まで3ドアハッチバックのイメージが強かった。4ドアセダンはデザインが貧相だったこともあり、販売は低迷して目立たない。このイメージを覆したのが、1991年秋に登場した5代目だ。

 セダンには「フェリオ」のサブネームを与え、エクステリアもハイデッキの力強いデザインになる。自慢のVTECエンジンは、高性能追求型に加え、燃費に振った仕様も投入したからファン層は大きく広がり、販売も急上昇。

●8代目

 これと逆なのが2005年に登場した8代目だ。7代目の5ドアは優れたパッケージだったが、フィットに人気をさらわれ、ズッコケた。そこで8代目はセダンだけに絞って勝負に出たのである。

 上質なハイブリッド車や高性能なタイプRを設定するなど、意欲は見られたが、販売は失速。2010年に生産を打ち切り、一時的に日本のファンの前から姿を消していったのだ。

(TEXT/片岡英明)

■ホンダ オデッセイ(1994年初登場・5代終了 ※2021年日本で販売終了)

●こんなクルマ……初代が全高の低い多人数乗用車というコンセプトで大ヒット。ミニバンブームの火つけ役となり、3代目もさらなる低全高化で人気を集めた

4代目ホンダ オデッセイ。2008年に登場するも存在感は低下
4代目ホンダ オデッセイ。2008年に登場するも存在感は低下

 4代目オデッセイは人気の高かった3代目にあやかり、低全高、低床のキープコンセプトで登場した。エクステリアも似たデザインで、ドアは初代から4枚のヒンジ式ドアを受け継いでいる。立体駐車場を使える全高だし、走りもスポーティな味わいだ。

 だが、Lクラスの主流は、背が高くて押しが強く、使い勝手がいいスライドドアを採用したミニバンに移っていた。エンジンの電動化でも後れをとったので販売は低調に終わっている。そこで2013年に登場した5代目オデッセイはドライバーズミニバンからの脱却を図り、宗旨替えした。

 全高を高くするとともに後席用ドアをスライド式にして快適性と乗降性を向上させたのである。2016年には待望のハイブリッド車も投入する。が、決断はちょっと遅かった。

(TEXT/片岡英明)

■三菱 ギャラン(1969年初登場・10代終了 ※日本では2015年 9代で販売終了)

●こんなクルマ……コルトとは別の新しいセダンとして初代コルトギャランが誕生。1970年にはギャランGTOも登場。3代目〜5代目は「Σ」のサブネームが付いた

1987年登場の4代目三菱 ギャランは4WDなどを採用
1987年登場の4代目三菱 ギャランは4WDなどを採用

 5代目からギャランはFFファミリーカーに生まれ変わり、ボディの軽量化を実現するとともに広いキャビンスペースも実現した。シグマを名乗っていることもあり、上級志向が強く、途中でV型6気筒エンジンも追加している。

 1987年秋にシグマを切り離した6代目ギャランを送り出した。リーダーのVR-4は新設計のDOHCターボエンジンや4輪操舵の4WS、革新的な4WDシステムなどのテクノロジーを積極的に採用し、痛快な走りを実現している。ランエボの礎となり、新たなファンの獲得に成功。イメージアップも果たした。

 7代目は背伸びして3ナンバー枠に全幅を広げ、再びV6エンジンを主役の座に就けている。ラグジュアリー度は高かったが、反発したファンから信頼を失った。

(TEXT/片岡英明)

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