トヨタの新技術をいち早く採用してきたクラウン!! 歴代モデルの先進性を振り返る

■高級感に走りの性能をプラス

9代目クラウンに設定されたクラウンマジェスタ。モノコックボディをクラウンで初採用し、4L・V8DOHCエンジンを搭載した対輸入車モデル
9代目クラウンに設定されたクラウンマジェスタ。モノコックボディをクラウンで初採用し、4L・V8DOHCエンジンを搭載した対輸入車モデル

 しかし、この2年後クラウンにとってはその存在が脅かされるほどインパクトを持った大事件が起こります。セルシオの発売です。

 その結果、日本で一番いいクルマだったクラウンは、二番目にいいクルマになってしまったのです。

 とはいえ、これまで培ってきたクラウンブランドがそう簡単には崩れたりはしません。1991年クラウンに初のモノコックボディを採用した上級シリーズ「マジェスタ」が登場します。4L・V8DOHCエンジンを搭載した国産高級サルーンとして輸入高級車対策というのが本来の狙いです。

 10代目(1995年~)でペリメーターフレームの長い歴史に終止符を打ち、ロイヤルシリーズにもモノコックボディが採用になります。衝突安全ボディとしての剛性が上がったことで、走行に有用なボディ剛性も上がり、走りのポテンシャルが格段に上がっています。

 そして1999年11代目クラウンは、モノコックボディの熟成によって、それまでのラグジュアリーなテイストを大きく方向転換、走りの性能に磨きをかけていきます。

 特に新たなシリーズとしてアスリートシリーズが登場します。その一方、21世紀を見据え直噴のD4エンジンの搭載や、マイルドハイブリッドが搭載(世界初)されます。

1999年に登場した11代目クラウンには走りに重点を置いたクラウンアスリートを追加(写真は2003年登場の12代目クラウンに設定された2代目アスリート)
1999年に登場した11代目クラウンには走りに重点を置いたクラウンアスリートを追加(写真は2003年登場の12代目クラウンに設定された2代目アスリート)

 スポーティなクラウンの流れは2003年登場の12代目クラウンでより明確になります。プラットフォームを一新しより洗練された走りのテイストを獲得。ゼロクラウンのキャッチコピーで登場しました。

 13代目クラウン(2008年~)はゼロクラウンのコンセプトを継承しながら更なるパフォーマンスアップが図られました。それと同時に積極的に先進技術を導入しています。

 統合車両姿勢安定制御システムのVDIMや、ギヤ可変ステアリング、TFT液晶ファイングラフィックメーター(ハイブリッドモデル)。

 そして居眠りを検知して最終的にブレーキアシストやシートベルトの締め付けを行うドライバーモニター付きプリクラッシュセーフティシステム(世界初)の搭載など、ラグジュアリーセダンから先進技術と走りのクラウンへ熟成が図られました。

 どこでもドアをモチーフにしたピンクのクラウンが印象深い14代目クラウン(2012年~)は、“クラウン・リボーン”のキャッチコピーを掲げ、ダイナミクスの大幅な性能アップが図られました。

 アスリートGにはブリッピング機能付8速ATが搭載されています。

 また安全性についてはプリクラッシュセーフティシステム(衝突被害低減ブレーキ)の導入や誤発進を防止するドライブスタートコントロール、アダプティブハイビームシステムも採用になっています。

 現行型である15代目クラウン(2018年~)は輸入車を好む30~40歳代の比較的若いユーザーにも訴求するためニュルブルクリンクで鍛えた「走る」「曲がる」「止まる」性能がウリです。

 搭載されるエンジンは2Lターボ、2.5Lハイブリッドのほか、3.5Lハイブリッドシステムに10段変速ギヤを模した制御を与えることでダイレクトなパワーフィールを作り出すマルチハイブリッドシステムを採用。

 走りへの性能のこだわりがさらに強くなっています。同時にインターネットへの常時接続を装備したコネクテッドカーとして新しい時代のニーズに向けた装備も用意されています。

次ページは : ■16代目登場の口火を切るクロスオーバーはもはやセダンですらない!

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